ブックリンカー
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の表紙
エッセイ〜5時間入門

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

著:ブレイディみかこ

読了時間の目安 推定
約4時間約150,000字(〜5時間)
難しさ
入門前提知識なしで読める
ページ数
336ページ
出版社
新潮社2021年6月
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文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/14

どんな物語?(ネタバレなし)

優等生の「ぼく」が進学先に選んだのは、人種も家庭の経済状況もばらばらな生徒が集まる「元・底辺中学校」でした。イギリスの地方都市に暮らす著者ブレイディみかこが、思春期に入った息子の学校生活と、親子の会話をつづったノンフィクションです。

差別的な言葉を口にする同級生、貧しさを抱えた友だち、自分の性のあり方に悩む少年。毎日のように起きる出来事に、「ぼく」と母ちゃんは一緒に悩み、話し合いながら向き合っていきます。Yahoo!ニュース 本屋大賞2019 ノンフィクション本大賞を受賞したベストセラーの文庫版です。

こんな人に

多様性という言葉を、具体的な人の顔が見える形で考えたい人に。思春期の子どもとの会話に悩んでいる親や、イギリスの学校や移民社会の実情に関心がある人にも。ふだんノンフィクションを読まない人でも、親子の物語として気軽に楽しめます。

読みどころ

  • 差別、貧困、ジェンダーといった重いテーマが、中学生の日常の出来事として語られる。問題が別々にではなく、ひとつの教室のなかで重なりあって起きる現実が生々しい。
  • エンパシーを「自分で誰かの靴を履いてみること」と言い表した息子の答えは、立場の違う相手とどう向き合うかを考える手がかりとして、多くの読者の心に残った。
  • 母ちゃんと息子の会話は、親が教えるというより、ともに悩む対等なやりとり。子どものほうがはっとする言葉を返す場面も多く、子育て中の親にも響く。
  • パンクな母ちゃんの軽快で率直な語り口のおかげで、深刻な話題でも重くなりすぎず、ユーモアを交えて読み進められる。

読んだあとに考えたいこと

  1. 自分と意見の違う人や苦手な人の「靴」を、最近履いてみようとしたことはあるだろうか。
  2. 差別的なことを言う人を、その一面だけで「その人のすべて」だと決めつけていないだろうか。
  3. 自分の職場や地域には、見えにくい格差や分断はないだろうか。

読むときのコツ

16の章はそれぞれひとつの出来事を中心にまとまっていて、少しずつ読んでも話を見失いません。イギリスの学校制度など耳慣れない話も出てきますが、文中でかみくだいて説明されています。同級生の名前が多いので、気になる子をメモしながら読むと楽です。

次に読むなら

13歳になった「ぼく」のその後は、続編の『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』で読めます。本書で注目されたエンパシーについて、著者がさらに考えを深めたのが『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』(文藝春秋)。本書の副読本のようにして読むと、あの試験の答えの奥行きが見えてきます。

読んだ人の感想

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