文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/15
どんな本?(結論は伏せて)
システムが止まった瞬間、だれが指揮をとり、だれが何を調べ、利用者や経営にはいつ何を伝えるのか。現場ではベテランの経験に頼りがちだった障害対応のやり方を、だれでも学べる形に整理した解説書です。
著者は大手システム会社で金融系システムの開発や運用に携わり、障害対応の研修講師も務める人です。障害の定義と対応の目的から始め、役割分担、検知から復旧までの各段階の動き方、必要な書類や道具、組織づくりへと進みます。2020年版に、教育と訓練、手順書の作り方、利用者への情報発信の章を加えた改訂版です。いざというときに慌てないために、平時に読んでおきたい一冊です。
こんな人に
障害が起きるたびに場当たりで動いてしまうと感じている運用・開発チームに。初めて障害対応の指揮役を任された人、新人に障害対応をどう教えるか悩んでいるリーダー、利用者への連絡や社内報告の型を整えたい情報システム部門の人にも向きます。
要点
- 障害対応は経験頼みの暗黙知になりやすい。役割・手順・書類を言葉にしておけば、だれが担当してもある水準の対応ができる。
- 現場には指揮をとるインシデントコマンダーを置き、作業担当・利用者窓口・経営層の役割を分ける。指揮役の動き方で解決の速さが変わる。
- 検知、影響調査、原因調査、復旧、事後対応の各段階に基本動作がある。対応フロー図や連絡先表、障害レベルの表などを平時に用意しておく。
- 障害は本番でしか練習できないと考えず、育成計画や訓練、ミスを防ぐ手順書、振り返りで組織の対応力を継続して高める。
ここから先は、本の結論と主な主張まで書いています。読む前に中身を確かめたい人や、読み終えて振り返りたい人向けです。
本書はまず、障害対応がなぜ暗黙知のままだったのかを確かめます。障害は突然起き、同じ状況をくり返し練習しにくいうえ、最大の戦力で臨むためにベテランが動いて新人には役が回らない。システムが複雑になるほど対応は難しくなる、という問題意識です。
そのうえで役割を分けます。中心になるのは、現場の指揮をとるインシデントコマンダーで、手を動かす作業担当、利用者側の窓口になる担当、経営層(CIO)がそれぞれ何をすべきかが整理されます。指揮役の動き方しだいで作業者の生産性や解決の速さが変わる、というのが本書の強調点です。
続いて、検知と事象の確認、業務への影響調査、原因調査、復旧、事後対応という流れに沿って各段階の基本動作を説明し、対応フロー図、連絡先の一覧、障害レベルの表、状況ボードなどの書類、監視ダッシュボードや対策本部(War Room)、構成管理データベース、運用へのAIの活用といった道具を紹介します。後半は、組織の対応力を測って高める方法、メンバーの育成とスキルチェック、訓練のやり方、ヒューマンエラーを防ぐ手順書、利用者への情報発信を扱います。付録では、誤ったデータが広がるケースや機器が中途半端に動き続けるケース、災害時の対応など、難しい障害の事例を振り返ります。
読んだあとに考えたいこと
- いま大きな障害が起きたら、自分のチームではだれが指揮をとるか決まっているだろうか。
- 障害の対応経験は、特定のベテランだけに偏っていないだろうか。
- 前回の障害の振り返りで決めた改善は、実際に手順や書類に反映されているだろうか。
読むときのコツ
第3・4章の役割と基本動作が中心で、まずここを読めば全体の型がつかめます。書類のひな形や組織づくり、育成・訓練の章は、自分の立場に合わせて必要なところから。図表が多く、開発や運用の現場経験があれば専門知識はそれほど要りません。技術的な切り分けの手順書ではなく、対応の進め方の本です。
次に読むなら
障害対応を支えるチームや組織の側から考えたいなら『エンジニアリング組織論への招待』へ。不確実なものに向き合うチームのあり方を、技術と組織の両面から学べます。
運営者の書評
この本は、運営者(山野 健太)が読んで個人ブログに書評を書いています。上の要約・要点はブックリンカー編集部が別に書いたものです。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら
あらすじ・要約などの文章は AI(Claude)が書いたもので、内容や主張、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。読了時間・難しさもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





