文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/09/29
どんなお話?(ネタバレなし)
イギリスの「荘園農場」。酒びたりの農場主ジョーンズ氏のもとで、動物たちは働かされ、食べ物も満足にもらえません。ある晩、年老いた豚メージャー爺さんは、人間を追い出せば動物は自由で豊かに暮らせるという夢を仲間に語り、まもなく亡くなります。
やがて動物たちは本当に反乱を起こし、人間を追い出して農場を「動物農場」と名づけます。みんな平等、という決まりのもとで、新しい暮らしが始まりますが――。短く読みやすい寓話のかたちで、権力の姿を描いた一冊です。
こんな子におすすめ
ニュースや歴史の授業で「なぜ人々は独裁を止められなかったのか」と疑問をもったことのある中高生に。動物たちの物語なので設定はシンプルで、短い中に権力とことばの怖さがつまっています。原書でも分量が少ないので、「英語の古典を1冊読みきった」という自信をつけたい子にもおすすめです。
読みどころ
- 壁に書かれた戒律が、物語が進むごとに少しずつ書き換えられていきます。どこがどう変わったのか、読者も動物たちと一緒に確かめたくなるしかけです。
- 豚のスクウィーラーは、数字やむずかしい言葉を並べて、どんな出来事も指導者に都合よく説明してしまいます。言葉がどのように人を操るのかがよくわかります。
- ひたすら働く馬のボクサーは、読者がいちばん心を寄せる登場人物。その運命は、この寓話のなかでもっとも痛ましい場面のひとつです。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
農場は、頭のよい豚たちが指導することになります。演説のうまいスノーボールと、口数は少ないが策略家のナポレオン、そして弁の立つスクウィーラー。動物たちは「七つの戒律」を壁に書き、力持ちの馬ボクサーは誰よりも懸命に働きます。人間たちが農場を取り返しに来た戦いにも勝利します。
ところが風車の建設をめぐって対立が深まると、ナポレオンはひそかに育てていた犬たちにスノーボールを襲わせ、農場から追い出します。その後、うまくいかないことはすべてスノーボールのせいにされ、「裏切り者」と自白させられた動物たちが次々に処刑されます。
豚たちは母屋に住み、ベッドで眠り、酒を飲むようになり、そのたびに壁の戒律はこっそり書き換えられていきます。スクウィーラーの言葉に、動物たちは何が本当だったのか思い出せなくなります。忠実に働き続けたボクサーは、体をこわすと病院へ送るとだまされて、馬を処分する業者に売られてしまいます。
年月がたち、豚たちは二本足で歩き、服を着るようになります。最後に、豚たちと近所の人間たちが母屋でトランプをする様子を窓の外からのぞいた動物たちは、もはやどちらが豚でどちらが人間か見分けがつかなくなっていました。
読んだあとに話したいこと
- 動物たちは、どの時点でナポレオンを止められたと思う?
- スクウィーラーのような話し方をする人は、いまの世の中にもいるかな?
- 「みんな平等」という理想は、なぜくずれてしまったのだろう?
おうちの方へ
英語は英検2級〜準1級程度。約3万語と短く、文も比較的平明ですが、政治的な言葉や皮肉の読み取りには高校生程度の読解力が要ります。ロシア革命とスターリン体制の寓話なので、歴史の背景を少し知っておくと深く読めます。動物の処刑や、だまされて殺される場面があり、子ども向けの動物物語ではありません。邦訳は岩波文庫、角川文庫など。
次に読むなら
同じオーウェルの Nineteen Eighty-Four(『一九八四年』)は、監視と情報操作をさらに徹底して描いた長編で、高校生の次の目標に。本と考える力を奪われた社会を描く Fahrenheit 451(『華氏451度』)、ルールのない島で権力争いが起きる Lord of the Flies(『蠅の王』)も、人間と権力の関係を別の角度から見せてくれます。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





