- 対象の目安
- 小3〜小6
- ボリューム 推定
- 約32,000語長編
- ページ数
- 272ページ
- 出版社
- Candlewick Press2003年
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文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/03
どんなお話?(ネタバレなし)
お城に住むねずみの一家に、とても小さな、しかも生まれたときから目を開けていた子ねずみが生まれます。名前はデスペロー。耳は大きすぎ、体は小さすぎ、ほかのねずみのように食べ物をあさることにも興味がありません。本をかじるかわりに読んでしまい、光がさしこむ場所に見とれ、音楽の音を追いかけてしまうのです。
ある日デスペローは、音楽にさそわれてお城の広間へ入りこみ、王さまとピー姫に出会います。そして、ねずみが決してしてはいけないこと、人間に話しかけ、姫の手にふれてしまいました。ねずみの掟をやぶったデスペローを待っていたのは、暗い地下ろうへ落とされる罰。そこは、ねずみを食べるネズミ(ラット)たちのすみかでした。
語り手が読者に「さあ、読者よ」と呼びかけながら進めるこの物語は、ねずみと、お姫さまと、スープと、糸巻きの話です。
こんな子におすすめ
おとぎ話やお姫さまの話が好きな子、でも「めでたしめでたし」だけでは物足りなくなってきた子に。小さくて弱い主人公が、こわくても一歩ふみ出す物語なので、引っこみ思案な子ほど胸に残るはず。ひとり読みなら小学校中学年から、読み聞かせなら低学年から楽しめます。
読みどころ
- 語り手がときどき物語を止めて「読者よ、きみはどう思う?」と問いかけてくる、昔話のような語り口。ページをめくるたびに作者と会話しているような気分になります。
- ねずみのデスペロー、ラットのロスクーロ、娘のミグ。3人の物語がべつべつに語られてから、第4部でひとつにつながる構成が見事で、謎解きのような楽しさがあります。
- ロスクーロは悪役なのに、光にあこがれる気持ちは痛いほどわかる。悪いことをした者にも事情があり、許されることもあるという、ひとすじなわでいかない結末です。
- ティモシー・バジル・イリングの鉛筆画が、地下ろうの暗さと広間の光のコントラストを美しく描いていて、本のテーマそのものになっています。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
物語は4つの部に分かれています。第1部では、デスペローが掟をやぶり、兄が密告し、ねずみの会議で地下ろう行きを命じられます。父親も息子を見捨てます。地下ろうで待っていた看守のグレゴリーは、デスペローが語る物語を気に入り、ひとまず命を助けてくれます。
第2部は、地下ろうのラット、ロスクーロの話。ラットなのに光にあこがれる彼は、ある日お城の広間へ上がり、シャンデリアから女王のスープの皿に落ちてしまいます。女王はおどろきのあまり死に、王さまは国じゅうでスープとスプーンを禁止。ピー姫ににらまれたロスクーロは、姫への復讐を心に決めます。
第3部は、田舎の娘ミゲリー・ソウ(ミグ)の話。父に売られ、ひどい扱いで耳も遠くなったミグは、お姫さまを一目見てからずっと、自分もお姫さまになることを夢見ています。お城の召使いになったミグは、地下ろうでロスクーロと出会い、「姫を地下ろうへ連れてくれば、おまえが姫になれる」とそそのかされます。
第4部で物語がひとつになります。ミグとロスクーロはピー姫を地下ろうへ連れ去ります。台所の皿に乗って地上へもどっていたデスペローは、計画を知り、糸巻きの赤い糸と針の剣をもって、ひとりで地下ろうへ下りていきます。ラットたちにかこまれ、糸も失いながら、デスペローは姫のもとへたどりつき、針をロスクーロにつきつけます。けれど最後にロスクーロの心を変えたのは、剣ではなく、ピー姫が「スープをあげる」と許したことばでした。ミグも父親に会うことができ、物語の終わりでは、王さま、姫、ミグ、ロスクーロ、デスペローが同じ食卓でスープを飲んでいます。
読んだあとに話したいこと
- デスペローは「ほかのねずみとちがう」ことで苦しんだ。ちがうことは、よくないことだと思う?
- ロスクーロのしたことは許せる? ピー姫はなぜ許せたのだろう?
- ミグがお姫さまになりたかったのは、どうしてだと思う?
おうちの方へ
章はとても短く、語り手が「読者よ」と話しかける親しみやすい文体。ただし perfidy(裏切り)のような難しい単語をわざと使って「調べてごらん」とうながす場面があるので、辞書を横に。父ねずみが息子を見捨てる場面、ミグが耳をたたかれる場面はつらいので、低学年には読み聞かせで。日本語版はポプラ社『ねずみの騎士デスペローの物語』。2004年ニューベリー賞。アニメ映画版もあります。
次に読むなら
日本語版と読みくらべると、語り手の呼びかけがどう訳されているかがおもしろいところ。同じディカミロなら、犬と女の子の夏を描く Because of Winn-Dixie が少しやさしめの次の一冊。ねずみが主人公の古典 Stuart Little、クモとブタの友情を描く Charlotte's Web も同じ棚にならべたい本です。おとぎ話の世界をもっと広げたい子には The Lion, the Witch and the Wardrobe を。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら

Because of Winn-Dixie
Kate DiCamillo
同じ作者・「動物」のお話・同じくらいの長さ

Stuart Little
E. B. White
「動物」「冒険」のお話・同じくらいの長さ

Charlotte's Web
E. B. White
「動物」「泣ける」のお話・同じくらいの長さ

The Lion, the Witch and the Wardrobe
C. S. Lewis
「ファンタジー」「冒険」のお話・同じくらいの長さ

Exile
Shannon Messenger
「ファンタジー」「動物」のお話・同じくらいの長さ
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。
