- 対象の目安
- 小2〜小5
- ボリューム 推定
- 約27,000語長編
- ページ数
- 160ページ
- 出版社
- Puffin Books1961年
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文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/10
どんなお話?(ネタバレなし)
ジェームズ・ヘンリー・トロッターは、海辺の家で両親と幸せに暮らしていました。ところが4歳のとき、動物園からにげたサイのせいで両親を一度に失い、丘の上に住むふたりのおばさん、やせっぽちのスパイカーと太っちょのスポンジに引きとられます。おばさんたちはジェームズをこき使い、ろくに食べさせず、ほかの子どもと遊ぶことも許しません。
そんなある日、庭のしげみからあらわれたふしぎな老人が、ジェームズに光る緑のつぶが入った袋をわたします。ところがジェームズは転んで、つぶを古い桃の木の根もとにこぼしてしまいます。すると、ずっと実をつけなかった木に桃がひとつなり、みるみる家ほどの大きさにふくらんでいったのです。
こんな子におすすめ
虫がすきな子、おばさんたちがやっつけられる場面で思いきり笑える子に。ひどい目にあっていた主人公が、自分の知恵で仲間とピンチを切りぬけていく痛快さは、小学校低学年の読み聞かせでも十分に伝わります。『チョコレート工場の秘密』を楽しめた子なら、次に手に取るダールとしてぴったりです。
読みどころ
- ミミズはくよくよ屋、ムカデは自分の靴を自慢するお調子者、バッタは紳士。虫たちの性格がはっきりしていて、せまい桃の中でのやりとりがにぎやかなコメディになっています。
- サメにかこまれた桃を、カモメの糸で空へ持ち上げるという解決は、小さなジェームズが初めて自分の頭で考え、みんなに頼りにされる場面。読んでいて胸がすっとします。
- 雲の上に住んで天気をつくる雲の男たちなど、空の旅の途中には、ダールらしい奇想天外な場面がつぎつぎと出てきます。クエンティン・ブレイクの挿絵が想像を助けてくれます。
- ところどころに虫たちの歌が入り、英語のリズムや言葉遊びを味わえます。意味を全部とろうとせず、声に出して楽しむだけでもかまいません。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
巨大な桃を見世物にしておばさんたちが大もうけする一方、夜、ジェームズは桃の底に穴があいているのを見つけ、中へもぐりこみます。そこにいたのは、ジェームズと同じくらいの大きさになった虫たち。ムカデ、ミミズ、年とったバッタ、テントウムシ、クモ、ツチボタル、カイコです。ムカデが桃の枝をかみ切ると、桃は丘をころがり落ち、ふたりのおばさんをぺしゃんこにして、チョコレート工場をつきぬけ、海へ飛びこみます。
海の上でサメにかこまれると、ジェームズは思いつきます。ミミズをえさにしてカモメをおびきよせ、クモとカイコの糸で桃に結びつけるのです。501羽のカモメに引かれて、桃は空へ。雲の上では、ひょうや虹をつくる「雲の男」たちに出くわし、ムカデがからかったせいで虹のペンキを浴びてかたまってしまう場面も。
一行はついにニューヨークへたどりつきますが、飛行機がカモメの糸を切り、桃はエンパイア・ステート・ビルの先端につきささります。最初は爆弾や宇宙船とおそれられたものの、ジェームズが冒険の話をすると町じゅうが大よろこび。桃は子どもたちに食べつくされ、残った種はセントラルパークに置かれて、ジェームズの家になります。虫たちもそれぞれ町で仕事を見つけ、ジェームズにはたくさんの友だちができました。この物語は、ジェームズ自身が書いた本だった、という結びです。
読んだあとに話したいこと
- 桃の中の虫たちのなかで、いっしょに旅をするならだれを選ぶ? どうして?
- ジェームズがいちばん勇気を出したのはどの場面だと思う?
- もし家ほどの大きさの果物がひとつ手に入ったら、何の果物にして、何をする?
おうちの方へ
ダールの長編のなかでは短めで、章ごとの区切りも小さいので、英語の児童書に初めて取り組む高学年〜中学生にちょうどよい一冊です。虫たちの歌は韻をふんだ詩で難しいので、とばしても話はわかります。日本語版は評論社『おばけ桃が行く』(柳瀬尚紀訳)。冒頭でサイが両親を食べる場面はあっさり書かれていますが、小さい子には少し補ってあげてください。
次に読むなら
日本語版『おばけ桃が行く』と読みくらべると、虫たちの歌の訳し方のちがいが楽しめます。同じダールなら、同じくらいの長さで笑いの質も近い Charlie and the Chocolate Factory、巨人と少女の友情を描いた The BFG へ。動物や虫が人間のことばで話す物語をもっと読みたい子には、E. B. White の Charlotte's Web が、少ししっとりした読み味の次の一冊になります。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。




