文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/03
どんなお話?(ネタバレなし)
芳ヶ江国際ピアノコンクールを描く物語の下巻です。
自由奔放な音で審査員を揺さぶる16歳の風間塵、ふたたびピアノに向きあいはじめた栄伝亜夜、働きながら最後の挑戦に臨む高島明石、優勝候補のマサル。予選を重ねるごとに出場者はしぼられ、残った者たちには、より長く、より自分自身をさらけだす演奏が求められていきます。
ライバルの音に刺激され、互いに影響しあいながら、若いピアニストたちは自分だけの音楽を探しつづけます。二週間の闘いの果てに、彼らはどんな音にたどり着くのでしょうか。
こんな子におすすめ
上巻で、四人の誰かを本気で応援したくなった人に。予選で敗れた人、勝ちのこった人、それぞれの結末が丁寧に描かれるので、「結果」と「やってきたこと」の関係を考えたい中高生に響きます。音楽の道に進むか迷っている人にとっても、背中を押してくれる一冊です。
読みどころ
- 第三次予選では、一人ひとりの演奏がまるでリサイタルのように長く描かれます。同じコンクールでも、塵、亜夜、マサルの音楽がまったく別の景色を見せてくれます。
- 敗退した明石に贈られる評価の場面。コンクールの勝ち負けとは別のところにある、音楽を続けることの価値が静かに描かれ、大人の読者の胸も打ちます。
- 亜夜が音楽の喜びを取りもどしていく過程。天才少女と呼ばれ、一度は舞台から逃げた彼女の変化が、下巻を通じた大きな流れになっています。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
下巻は、第二次予選のとちゅう、課題曲の新曲「春と修羅」をめぐる演奏から始まり、第三次予選、オーケストラと共演する本選、そして結果発表までを描きます。
明石は第二次予選で敗退しますが、「春と修羅」で見せた演奏が高く評価され、作曲者の名を冠した特別な賞を受けます。生活者として音楽を続けてきた明石の思いは、確かに誰かに届いていました。
第三次予選では、塵、亜夜、マサルがそれぞれ長いリサイタルのようなプログラムに挑みます。塵は、亡き師ホフマンから託された「音楽を外へ連れだす」という約束を胸に、会場全体を包みこむような演奏を見せます。塵の音に導かれるように、亜夜は幼いころに失った音楽の喜びを完全に取りもどし、ピアニストとしての自分を受けいれていきます。マサルもまた、幼なじみの亜夜との再会に支えられ、自らの音楽を深めていきます。
本選では、三人がそれぞれ協奏曲を演奏し、コンクールは幕を閉じます。最終的な順位は、優勝がマサル、2位が亜夜、3位が塵。けれども物語が描くのは順位そのものより、コンクールを通して彼らが得た、音楽とともに生きていく確かな手ごたえです。
読んだあとに話したいこと
- 最終的な順位を知って、どう感じた? 納得できた?
- 明石にとって、このコンクールはどんな意味があったと思う?
- 塵がホフマンと約束した「音楽を外へ連れだす」って、どういうことだろう。
おうちの方へ
上下巻の下巻なので、必ず『蜜蜂と遠雷(上)』を読んでから手にとってください。下巻は演奏シーンがさらに長く濃密になり、本選ではオーケストラとの協奏曲が描かれます。過激な描写はなく中学生から読めます。作中の曲を聴きながら読むと、いっそう楽しめます。
次に読むなら
まだの人は『蜜蜂と遠雷(上)』から。読み終えて、ピアノの世界をもっと味わいたいなら、調律師の青年を描く『羊と鋼の森』がおすすめです。才能とライバル、仲間を描く物語としては、飛込み競技の『DIVE!!』や、高校陸上部の『一瞬の風になれ』もぜひ。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





