文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/09/28
どんなお話?(ネタバレなし)
大きな町のはずれ、古い円形劇場のあとに、モモという女の子が住みつきました。どこから来たのかもわからない小さな女の子ですが、モモには特別な力があります。それは、相手の話をじっと聞くこと。モモに話を聞いてもらうと、だれもが自分の考えを見つけ、元気になるのです。
ところがある日から、町に灰色の服を着た、顔色の悪い男たちがあらわれます。人びとはなぜか急に忙しくなり、笑顔を失っていきました。灰色の男たちの正体とは?
こんな子におすすめ
習いごとや宿題で毎日が詰まっている子、「早くしなさい」と言われることが多い子に読んでほしい物語です。友だちの話をじっくり聞くのが得意な子なら、モモの力に自分を重ねられるでしょう。400ページを超えるので、長い物語に腰をすえてつき合える子、あるいは親子で少しずつ読み進めたい家庭に向いています。
読みどころ
- 道路掃除夫ベッポが、長い道路をどう掃除するかを語る場面は、急がずに一歩ずつ進むことの意味を、身近なたとえで教えてくれます。本を閉じたあとも思い出す人が多い一節です。
- 甲羅に文字を浮かびあがらせて会話するカメのカシオペイア。少し先の未来がわかるという、ゆっくりした歩みとは裏腹の力を持っていて、その不思議さが物語に独特の間を生みます。
- 物語は3部に分かれ、前半は円形劇場でのモモと友だちの暮らしがのびやかに描かれます。この穏やかな時間があるからこそ、灰色の男たちがもたらす変化の不気味さが伝わってきます。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
灰色の男たちは「時間貯蓄銀行」の外交員で、人びとに「むだな時間を節約して預ければ得をする」と持ちかけ、じつは節約させた時間を盗んで生きていました。町の大人は忙しくいらだつようになり、子どもたちまで管理された遊び場に入れられてしまいます。親友の道路掃除夫ベッポや、話し上手のジジも、しだいに灰色の男たちの手に落ちていきます。
モモだけは誘惑に乗らなかったため、灰色の男たちにねらわれます。モモはふしぎなカメのカシオペイアに導かれ、時間をつかさどるマイスター・ホラのもとへ行き、一人ひとりの時間が美しい「時間の花」として生まれることを知ります。
ホラが時間を止めると、盗んだ時間でしか生きられない灰色の男たちは追いつめられます。モモは一輪の時間の花を手に、たったひとりで彼らの隠し場所に向かい、貯めこまれた時間を解き放ちます。灰色の男たちは消え、町の人びとには時間とゆとりが戻り、モモは友だちと再会します。
読んだあとに話したいこと
- 灰色の男たちに「時間を節約しましょう」と言われたら、自分は何の時間を削りそう?
- モモのように話を聞いてもらって、気持ちが軽くなったことはある?
- 自分にとって「むだだけど大切な時間」って、どんな時間?
- ベッポのように、ゆっくりでも一歩ずつ進んでいたらいつのまにか終わっていた、という経験はある?
おうちの方へ
「時間とは何か」を考えさせる、大人にも人気のファンタジーです。前半はゆっくり進むので、ひとり読みは小学5年生くらいから、少しずつ読み聞かせるのもおすすめ。灰色の男たちは不気味ですが、こわすぎる描写はありません。読後に「自分の時間の使い方」を話しあうと深まります。
次に読むなら
エンデの作品をもっと読みたいなら、本の中の国へ入りこむ『はてしない物語』が次の大きな山です。大人の世界のふしぎさを寓話で描く点では『星の王子さま』が近く、二冊を読みくらべると「大人になるとは」という問いが深まります。現実から少しずれた町でのひと夏を描く『霧のむこうのふしぎな町』は、もう少し短く読みやすい入口。骨太な異世界ファンタジーへ進むなら『精霊の守り人』もおすすめです。
読んだ人の感想
読みこみ中…
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あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





