文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/09/28
どんなお話?(ネタバレなし)
飛行機の故障で、サハラ砂漠にひとり不時着した「ぼく」。水も残りわずかという夜明け、ヒツジの絵をかいてほしいと頼む声に起こされます。そこに立っていたのは、どこか遠い星からやってきた小さな王子さまでした。
王子さまは、自分の小さな星に残してきた一輪のバラのことや、ここへ来るまでに立ち寄った星々で出会ったおかしな大人たちのことを、少しずつ話してくれます。王子さまはなぜ星を出てきたのでしょう。そして、大切なものはどこにあるのでしょう。
こんな子におすすめ
「大人ってどうしてこうなんだろう」と感じはじめた高学年の子に。王子さまが訪ねる星の大人たちの姿は、そのもやもやに形を与えてくれます。友だちとの距離や、大切にしていたものとの別れに向き合っている子にも。物語の起伏より、ことばを味わいながら考える読書が好きな子に向いています。
読みどころ
- 冒頭で語り手が見せる「ぼうしの絵」は、この本全体の読み方を教えてくれる入口です。見たままを受け取る大人と、中身を見ようとする子どもの違いが、最初の数ページで示されます。
- 作者自身が描いた水彩の挿絵が、文章と一体になっています。小さな星に立つ王子さまの絵は、ことばで説明されるより先に、その孤独や星の小ささを伝えてくれます。
- 王さま、うぬぼれ男、実業家など、訪ねる星ごとに一人の大人が登場する章立て。一章ずつが短い寓話のようになっていて、どの大人が何にとらわれているのか考えながら読めます。
- キツネとの出会いの章は、この物語の中心といえる場面。時間をかけて関係を作ることの意味が、会話の積み重ねで少しずつ見えてきます。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
王子さまの星は家ほどの大きさで、そこにはわがままだけれど美しいバラが咲いていました。バラとの気持ちのすれちがいに悩んだ王子さまは星を出て、王さま、うぬぼれ男、酒飲み、星を数える実業家、点灯夫、地理学者の住む星を訪ね、大人たちのふしぎさにとまどいます。
地球に来た王子さまは、何千本ものバラが咲く庭を見て、自分のバラがありふれた花だったと悲しみます。けれどキツネと出会って「なつく(きずなを結ぶ)」ことを教わり、時間をかけて世話をしたからこそ、自分のバラは世界にひとつだけなのだと気づきます。キツネは別れぎわに、ほんとうに大切なものは目ではなく心で見るのだと教えてくれました。
「ぼく」と王子さまは砂漠で井戸を見つけ、心を通わせます。地球に来てちょうど一年目の夜、王子さまはヘビにかまれて、静かに倒れます。自分の星へ帰るためでした。翌朝、王子さまの体は見あたりませんでした。「ぼく」は夜空の星を見上げるたび、どこかで王子さまが笑っていると思うのです。
読んだあとに話したいこと
- 王子さまが訪ねた星の大人のなかで、身近にいそうだなと思ったのはだれ?
- キツネが言う「なつく」って、どういうことだと思う? 自分にとって「なついた」相手はいる?
- 王子さまにとってのバラのように、ほかの人にはふつうでも自分には特別なものはある?
おうちの方へ
絵本のような見た目ですが、友情や愛、大人になることを考えさせる奥深い物語です。ひとり読みは小学5年生くらいから、大人が読み返しても発見があります。最後に王子さまがヘビにかまれて去る場面は、死を思わせるので、悲しがる子には一緒に気持ちを話すとよいでしょう。
次に読むなら
時間や大切なものを別の角度から考える物語なら、エンデの『モモ』がよい次の一冊です。星空の旅と友との別れを描く『銀河鉄道の夜』とは、ともに「大切な人がいなくなること」を静かに見つめる点で読みくらべがいがあります。短いことばで生と愛を描いた絵本『100万回生きたねこ』は、年齢を問わず並べて読みたい一冊。中学生なら『西の魔女が死んだ』へ進むのもおすすめです。
読んだ人の感想
読みこみ中…
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あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





