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読書の秋に、少し長いお話へ挑戦|ひとつ上のボリュームの9冊

選・文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/09/28

本を読む力は、少しだけ長い本を一冊読みきったときにぐっと伸びます。ただ、いきなり倍以上の厚さの本を渡すと、途中で止まってしまいがちです。この特集では、いまの読書から「ひとつ上」のボリュームへ進むための本を、分量の少ない順に並べました。

選ぶときに重視したのは、長さのわりに読み進めやすい仕掛けがあるかどうかです。1話ずつ区切れる、章の終わりに次が気になる引きがある、挿絵が多い、といった点は、長い本に慣れていない子にとって大きな助けになります。文中の字数・語数は、各本のページに載せている推定値です。

日が短くなって家で過ごす時間が増える秋は、長いお話に腰をすえて取りくむのにちょうどいい季節です。ひとりで読むのがしんどい本は、最初の数章だけ読み聞かせて、物語に入りこんだところから子どもに渡すのもよい方法です。

  1. 『エルマーのぼうけん』の表紙

    1. 絵本から「章のある本」への最初の一歩

    エルマーのぼうけん

    ルース・スタイルス・ガネット

    小1〜小3読みごたえ

    長めの絵本の読み聞かせを最後まで聞けるようになった年長さん〜小2に。推定1.6万字ほどで、絵本よりぐっと長くなりますが、章が短く区切られていて、1日1〜2章ずつ読んでも話を見失いません。各章の終わりが次への引きになっているので、「もう1章だけ」と子どものほうからせがむことも。見返しの地図でエルマーの居場所を指でたどると、ひとり読みの助けになります。

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  2. 『ぼくは王さま』の表紙

    2. 1話ずつ読めて、気づけば長編の分量

    ぼくは王さま

    寺村輝夫

    小1〜小4長編

    小1〜4年生向け。推定3.5万字と、このサイトでは「長編」にあたる分量ですが、4つのお話がそれぞれ独立しているので、1話ずつ区切って読めます。1話が40ページ前後なので、ひとり読みなら小2〜3年生が目安です。わがままな王さまに「それはだめでしょ」とつっこみながら読んでいるうちに、1冊読みきった自信が残ります。和田誠のとぼけた挿絵も、読み進める力になります。

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  3. 『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』の表紙

    3. 短編の積み重ねで、長さを感じさせない

    ふしぎ駄菓子屋 銭天堂

    廣嶋玲子

    小3〜小6長編

    小3〜6年生向け。1話20〜25ページほどの短編がつながっていて、1話ごとに主人公が変わるので、朝読書の10分でも区切りよく読めます。短い読みものは平気だけれど、1冊まるごとの長いお話はまだ不安、という子の橋渡しにぴったりです。お菓子の注意書きをきちんと読むかどうかで結末の明暗が分かれるので、次はどうなるのかと自然にページが進みます。ぞくっとする話もあります。

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  4. 『魔女の宅急便』の表紙

    4. 1章1つのお届けもので進む長編

    魔女の宅急便

    角野栄子

    小3〜小6長編

    小3〜6年生向け。推定9万字ほどの長編ですが、章ごとに一つの「お届けもの」の話になっているので、短編集のように少しずつ読み進められます。映画を見てキキが好きになった子なら、映画にはないエピソードの多さに驚くはずで、それが読み続ける動機になります。気に入ったら全6巻と特別編まで続いているので、秋から冬にかけての長い読書の計画も立てやすいシリーズです。

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  5. 『チョコレート工場の秘密』の表紙

    5. 次のドアの向こうが気になって進む

    チョコレート工場の秘密

    ロアルド・ダール

    小3〜小6長編

    小3〜6年生向け。推定8万字。工場の中はひと部屋ごとに趣向がちがい、次のドアの向こうに何があるのかという期待が、長さを忘れさせてくれます。金のチケットを当てた子どもたちのくせが見学の前から紹介されているので、「この子はどうなるんだろう」と先を読みながら進めます。小人たちの歌は声に出すと楽しいところで、読み聞かせと組みあわせると勢いよく読みきれます。

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  6. 『精霊の守り人』の表紙

    6. 本格ファンタジーの大長編へ

    精霊の守り人

    上橋菜穂子

    小5〜中学長編

    小5〜中学生向け。推定17万字と、ここから一気に分厚くなります。逃げる側と追う側の両方の視点で章が進み、戦いの場面と、皇子が都の外の暮らしを知っていく日々の描写に緩急があるので、長さのわりに読みやすい構成です。架空の国の言葉や地名が多いので、はじめは人物や地名をメモしながら読むと入りやすくなります。気に入れば10巻以上のシリーズが待っています。

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  7. 『モモ』の表紙

    7. ゆっくり進む物語を、ゆっくり読む

    モモ

    ミヒャエル・エンデ

    小5〜中学長編

    小5〜中学生向け。推定17万字、400ページを超える長編です。前半は円形劇場でのモモと友だちの暮らしがのびやかに描かれ、話の進みはゆっくり。そこで急がずにつき合えるかどうかが、この本を楽しめるかの分かれ目です。3部に分かれているので、秋の間に1部ずつ、と区切って読むのもおすすめ。親子で少しずつ読み聞かせるのにも向いています。

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  8. 『かがみの孤城』の表紙

    8. 550ページを一気に読ませる謎

    かがみの孤城

    辻村深月

    小6〜中学長編

    小6〜中学生向け。推定30万字と、この特集でいちばんの大作です。それでも、城の決まりと7人それぞれの事情が少しずつ明かされていく構成で、何気ない会話が後半で次々と意味を持ちはじめるので、読みだすと止まらなくなる子が多い本です。長編に慣れた読書好きの「次の目標」に。いじめの場面は具体的で、読んでつらくなる子もいるので、様子を見ながら手渡してください。

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  9. 『Holes』の表紙

    9. 英語で読む子の、手ごたえある一冊

    Holes

    Louis Sachar

    小4〜中学長編English

    英語の本を読んでいる小4〜中学生向け。推定4.7万語の長編ですが、50の章はどれも数ページと短く、一日数章ずつでも無理なく進められます。100年以上前の町の話と現在が交互に語られ、小さな品物や言葉があとでつながる仕掛けなので、登場人物の関係をメモしながら読むと、最後に伏線がつながる快感が味わえます。語彙は英検2級程度が目安です。

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長い本を読んでいる途中で止まってしまったときは、各本のページの「ネタバレなしのあらすじ」で物語のはじまりを確認し直すと、続きに戻りやすくなります。どうしても先が気になって手が止まっている子には、大人が「ネタバレありのあらすじ」を読んで、こわい場面やつらい場面がどこで来るのかを先に知っておくのも一つの方法です。

一冊読みきったら、同じシリーズの続きや、各本のページの「次に読むなら」で紹介している本へ進んでみてください。ひとつ上の長さに慣れたころには、次の一段も自然に見えてきます。

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