文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/09/30
どんなお話?(ネタバレなし)
女用心棒のバルサは、短槍の達人。旅の途中、川に落ちた新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムを救ったことから、皇子の母である二ノ妃にひそかに呼び出されます。
チャグムの身には、なにか得体の知れないものが宿っていました。そのために、実の父である帝が、皇子を亡きものにしようとしているというのです。バルサはチャグムを連れて都を逃れ、追っ手から守りながら生きる道をさがします。チャグムに宿ったものの正体とは? 骨太な異世界ファンタジーです。
こんな子におすすめ
かっこいい大人の主人公に憧れる子、剣や槍の戦いの場面に胸が躍る子に。ハリー・ポッターのような西洋風ファンタジーを読んだあと、アジアを思わせる世界の物語を読んでみたい子にも向いています。守られる側だった子が強くなっていく話が好きな子なら、チャグムの変化から目が離せないはず。
読みどころ
- 主人公のバルサは30代の女用心棒。子どもが主人公の物語が多い児童書のなかで、大人が子どもを守りぬく姿を正面から描いた点が際立っています。
- 現実の世界と重なって存在する、目に見えないもうひとつの世界という設定があり、呪術師トロガイの語りを通して少しずつその姿が明かされます。世界のしくみが解けていく過程そのものが謎解きになっています。
- 宮廷しか知らなかった皇子が、都の外の暮らしのなかで少しずつ世間を知っていく日々の描写がていねいで、戦いの場面との緩急が物語を読みやすくしています。
- 宮廷の星読博士シュガの視点の章が挟まり、逃げる側と追う側の両方から物語が進みます。国の歴史の記録がどう書きかえられてきたのか、という問いも隠れています。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
チャグムに宿っていたのは、百年に一度卵を産む水の精霊の卵でした。帝は、それを国に災いをもたらす魔物だと信じ、狩人たちを差し向けます。バルサは幼なじみの薬草師タンダ、その師である呪術師トロガイの助けを借りてチャグムをかくまいます。
一方、宮廷の星読博士シュガは古い記録を調べ、建国の伝説が事実をゆがめて伝えていたこと、精霊の卵がかえらなければ大干ばつが起きることを知ります。そして卵をねらう怪物ラルンガが、宿主ごと卵を食べようとしていることもわかります。
冬のあいだ、バルサと暮らすなかで、世間知らずの皇子だったチャグムはたくましく成長していきます。春、卵が生まれるときが近づくと、ラルンガが襲いかかります。バルサ、トロガイ、そして敵だった狩人たちも力をあわせてチャグムを守り、卵は無事に海へと放たれて、雨がもたらされます。
その後、兄の皇太子が亡くなったため、チャグムは新たな皇太子として宮廷に戻ることになり、バルサとの別れを迎えます。
読んだあとに話したいこと
- バルサがチャグムを守ろうと決めたのは、お金のためだけだったと思う?
- チャグムは物語の最初と最後で、どんなところが変わった?
- 昔から伝わる話がほんとうとはちがっていた、という話を聞いてどう思った?
おうちの方へ
大人も夢中になる本格ファンタジーで、全10巻以上のシリーズの1作目です。ひとり読みは小学5年生くらいから。槍や刀での戦い、命をねらわれる緊張感のある場面が多く、多少の流血もあります。架空の国の言葉や地名が多いので、はじめは地図や人物をメモしながら読むと入りやすいです。
次に読むなら
シリーズ2作目『闇の守り人』では、バルサが自分の過去と向き合うために故郷へ向かいます。チャグムのその後を追う『虚空の旅人』などの「旅人」の物語も並行して読めます。同じ作者の『獣の奏者』は、獣と人の関係を軸にしたもう一つの大河ファンタジー。西洋の古典ファンタジーと比べるなら『ライオンと魔女』、ことばでつくられた架空世界の奥深さを知るなら『モモ』もよい次の一冊です。
読んだ人の感想
読みこみ中…
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この本を紹介している記事
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





