文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/03
どんなお話?(ネタバレなし)
幼稚園に通うたけしとようこは、大きな段ボール箱をもらって、二人でロボットを作ることにしました。ようこが描いた顔は、目じりが下がった泣き虫みたいな顔。でも「泣き虫ロボットなんてめずらしくておもしろい」と、そのまま完成させ、紙でできているから「カミイ」と名づけます。
すると、カミイは動きだし、話しだしました。ところがこのロボット、見た目のとおりすぐ泣くうえに、わがままで、いばりんぼうで、いたずら好き。原っぱでも、たけしたちの幼稚園でも、行く先々で大さわぎを起こします。
かばったりなぐさめたりしてきた二人も、だんだん手に負えなくなっていきますが……。
こんな子におすすめ
集団に入ったばかりで、自分の思いどおりにならないと泣いたり怒ったりしてしまう年長〜小学1年生に。カミイのふるまいを「困ったやつだなあ」と外から見ることで、自分のことも少し客観的に見られるようになります。工作が好きで、作ったものに名前をつけて遊ぶ子も、きっとカミイを好きになります。
読みどころ
- 段ボールと紙でできたロボットという設定が、物語の最後で大きな意味を持ちます。弱いからこそ、守ることの重さが伝わります。
- カミイのわがままは、幼稚園の子どもたちそのものです。作者は保育の現場をよく見ていて、集団の中で子どもがどうぶつかり、どう折り合うかが生々しく描かれています。
- 堀内誠一の絵は、カミイの四角い体と下がった目を、こっけいでいとおしいものにしています。表情のない顔のはずなのに、泣いているのが分かるのがふしぎです。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
カミイは幼稚園のもも組について行き、みんなの遊びに割りこんでは、けんかをしたり、泣いたり、自分がいちばんだとはりきったりします。おみせやさんごっこの日には、わがままが過ぎて、ついにクラスの子どもたちから相手にされなくなり、カミイはひとりぼっちになってしまいます。たけしとようこも、カミイをどうしたらいいのか分からなくなります。
そんなある日、もも組の子どもたちのほうへ、トラックが走りこんできます。カミイはとっさに子どもたちの前に立ちふさがり、トラックを止めました。しかし紙でできたカミイは、ぺしゃんこにつぶれてしまい、病院へ運ばれていきます。
自分たちを守ってくれたカミイのために、子どもたちはセロハンテープをはったり、新しい紙をつぎ足したりして、みんなでもとの形にもどそうとします。すると、カミイは起きあがりました。その目には涙が光っていますが、それはいつもの悔し涙や悲しい涙ではなく、はじめてのうれし涙でした。
読んだあとに話したいこと
- カミイがひとりぼっちになったとき、あなたがもも組の子だったらどうした?
- 最後にカミイが流した涙は、それまでの涙とどうちがう?
- もし段ボールでロボットを作るなら、どんな顔にする? 名前は?
おうちの方へ
読み聞かせなら4歳くらいから、ひとり読みは小学1・2年生から。わがままなカミイに子どもが腹を立てたり、自分を重ねたりしながら聞くので、途中で感想を言わせてあげてください。トラックの場面は一瞬どきっとしますが、すぐに救いがあるので低年齢でも大丈夫です。
次に読むなら
同じ古田足日の作品では、保育園が舞台の『おしいれのぼうけん』が、押入れという身近な場所から冒険が始まる名作です。保育園のきかん坊が主人公の『いやいやえん』も、カミイが好きな子にはぴったり。少し成長したら、くまの子が「なぜ?」を考える『くまの子ウーフ』へ進むと、集団の話から自分の内側を見つめる話へと、自然に読書の幅が広がります。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





