文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/03
どんなお話?(ネタバレなし)
ドドさん夫婦の家のかべの中に、母さんねずみと4ひきの子ねずみが、人に見つからないようにひっそりと暮らしていました。子どもたちが大きくなると、母さんねずみはひとり立ちの心得を教えます。いちばん大事なのは、物音を立てないこと。人間に気づかれたら、ねずみとりをしかけられたり、ねこを飼われたりしてしまうからです。
きょうだい3びきはそっと返事をしましたが、末っ子は「わかったよ、おかあさん」と、家じゅうにひびくような大声。「やかましい」から名前をとられた、ヤカちゃんです。
さて、こんなに声の大きなねずみが、人間の家で無事にやっていけるのでしょうか。
こんな子におすすめ
声が大きくて注意されがちな子、きょうだいの中で自分だけちがうと感じている子に。「短所に見えるところが、だれかの役に立つ」という筋が、お説教ではなくゆかいな事件として描かれます。68ページと短く、1回の読み聞かせで読みきれるので、長いおはなしへの入口にもちょうどいい一冊です。
読みどころ
- 母さんねずみの教えが、ぜんぶ歌になっているところ。ヤカちゃんが危ないめにあうたびにその歌がよみがえり、くり返しの楽しさと、はらはらが同時に味わえます。
- ドドさん夫婦の側から見ると、かべの中から大声がひびいてくる不気味さがあり、人間とねずみの両方の視点がちゃんと描かれています。
- 松岡享子の訳文は声に出したときのリズムがよく、大社玲子の絵は夜の家の中の雰囲気をやさしく伝えます。読み聞かせで真価を発揮する本です。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
ヤカちゃんの大声を聞いたドドさん夫婦は、「かべの中にライオンでもいるのか」とおどろき、ねずみがいることに気づいてしまいます。母さんねずみは、ねずみとりの用心、ねこの用心を、おぼえやすい歌にして子どもたちに教えていました。ヤカちゃんはその歌を大声で歌いながら、チーズをしかけたねずみとりをよけ、ドドさんが連れてきたねこからも逃げおおせます。ドドさん夫婦は手を焼くばかりです。
ある夜、大きなふくろをかかえたどろぼうが、窓から家にしのびこんできました。それを見つけたヤカちゃんは、思わず持ち前の大声で、ありったけさけびます。その声におどろいたどろぼうは何も盗らずに逃げだし、ドドさん夫婦は目をさまして事なきを得ました。
家を守ってくれたのが、あのやかましいねずみだと知ったドドさん夫婦は、ヤカちゃんを追いだすどころか、家の「番ねずみ」として大切にすることにします。母さんの教えを守りながらも、自分の大声を生かして居場所を見つけたヤカちゃんのおはなしです。
読んだあとに話したいこと
- ヤカちゃんの大声は、はじめは困りものだったのに、最後には役に立ったね。あなたの「困った」ところで、役に立ちそうなものはある?
- 母さんねずみの歌、どれがいちばん気に入った?
- ドドさんは、どうしてヤカちゃんを追いださなかったんだと思う?
おうちの方へ
読み聞かせなら4歳くらいから、ひとり読みは小学1・2年生が目安です。ねずみとりの歌、ねこの歌など、くり返しの歌が出てくるので、節をつけて読むと子どもが声を合わせてくれます。どろぼうの場面も、こわがらせるより笑いにつながる描き方で安心です。
次に読むなら
小さな生きものが人間の家で暮らす話なら、ねこたちのゆかいな絵本『11ぴきのねこ』、短いおはなしが続く『ふたりはともだち』が同じ読み聞かせの時期に向きます。ひとり読みに進むなら、同じ福音館の『いやいやえん』『ロボット・カミイ』が、文字量も対象年齢も近いステップアップ先です。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





