- 対象の目安
- 小4〜中学
- ボリューム 推定
- 約42,000語長編
- ページ数
- 256ページ
- 出版社
- Yearling1961年
PRこのページの購入ボタンはアフィリエイト広告です。Amazonのアソシエイトとして、ブックリンカーは適格販売により収入を得ています。また、楽天アフィリエイトを利用しています。
文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/03
どんなお話?(ネタバレなし)
マイロは、何をしてもつまらない男の子。学校にいるときは早く帰りたいし、帰ったら帰ったで何もすることがない。学ぶことなんて何の役に立つのか、さっぱりわかりません。
ある日、部屋に大きな包みがとどきます。中身は組み立て式の料金所(トールブース)と地図、それに「この先の国々へようこそ」という手紙。ほかにすることもないので、マイロはおもちゃの電気自動車に乗って料金所をくぐってみます。すると車は、見たこともない道を走り出し、「期待の町」を通りすぎて、「ものうげの沼」へ……。
そこは「知恵の王国」。ことばの都ディクショノポリスと数の都ディジトポリスが、どちらが大事かでけんかをしている国です。マイロは時計を体に埋めこんだ番犬トックと出会い、思いがけない旅に出ることになります。
こんな子におすすめ
「勉強なんて何の意味があるの?」と思っている子にこそ。そして、ダジャレやなぞなぞ、ことばのひっかけが大好きな子に。『不思議の国のアリス』が気に入った子なら、同じ種類のおかしさを味わえます。退屈しているときに、世界の見え方そのものが変わる本です。
読みどころ
- 「結論の島」には飛びつくと着いてしまう、「時は飛ぶ」ので時計の犬が空を飛ぶ。英語の慣用句がそのまま場所やできごとになる仕掛けが全編につまっていて、気づくたびに笑えます。
- 文字の王国と数の王国の争いは、「国語と算数、どっちが大事?」という子どもの素朴な問いそのもの。答えは物語のなかで、押しつけがましくなく示されます。
- どうでもいいことで時間をうばうトリビアムや、人の考えを食べる悪魔など、「無知の山」の魔物は、大人になってから読むとぞっとするほど的確です。
- ジュールズ・ファイファーのペン画が、へんてこな登場人物たちに命を吹きこんでいます。トックの体の時計、ハンバグの服装など、絵を見てから読むと場面が立ち上がります。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
ディクショノポリスで、マイロは文字の王アザズに会い、この国の事情を知ります。アザズと弟のマセマジシャン(数の魔法使い)は、ことばと数のどちらが大事かで争い、「どちらも同じくらい大事」と言った姉妹の姫、ライム(韻)とリーズン(理性)を、空の城に追放してしまったのです。それ以来、王国からは筋の通った考えが消えてしまいました。
マイロは、トックと、おおげさで調子のいい虫ハンバグといっしょに、姫たちを助けに出発します。途中、宙に浮いて「下に向かって育つ」少年アレック、音楽で色を生み出す指揮者クローマ、飛びつくと着いてしまう「結論の島」など、ことば遊びでできた奇妙な場所や人物に次々と出会い、ディジトポリスでは数の魔法使いから無限や平均の不思議を教わります。
ふたりの王から「旅には大事な秘密があるが、帰ってから教える」と言われたマイロたちは、「無知の山」へ分け入ります。そこには、どうでもいいことで時間をうばう悪魔トリビアムや、人の考えを食べる悪魔など、おそろしい魔物が待ちかまえていました。何とか空の城で姫たちを救い出しますが、階段は魔物に切られてしまいます。「時は飛ぶ(time flies)」ということばどおり、トックが姫たちを背に乗せて空を飛び、一行は逃げのびます。
姫たちがもどり、王国に理性が帰ってきます。王たちが明かした秘密は、「この旅は不可能なことだった」ということ。知らなかったからこそ、マイロはやりとげたのです。家に帰ると、何週間も旅したはずなのに時計は1時間しか進んでいません。翌日、料金所は消え、「きみはもう自分で道を見つけられる。この料金所はほかの子のところへ行く」という手紙が残されていました。窓の外の景色が、マイロには初めておもしろそうに見えます。
読んだあとに話したいこと
- ことばと数、どちらのほうが大事だと思う? ライムとリーズンの答えをどう思った?
- 「無知の山」の魔物のなかで、いちばんこわいと思ったのはどれ? 自分の毎日にも似たものはある?
- 旅のあとマイロの見える世界が変わったのは、どうしてだろう?
おうちの方へ
英語のことば遊び(ダジャレ、慣用句の文字どおりの実現)でできた本なので、児童書のなかでは難しい部類。「jump to conclusions(早合点する)」が「結論の島へ飛びつく」になる仕掛けを楽しむには、中学生以上の英語力があるとぐっとおもしろくなります。小学生なら、先に日本語版(PHP研究所『マイロのふしぎな冒険』)を読んでから原文に挑戦を。親子で「このダジャレは何?」と探す読み方も楽しいです。
次に読むなら
日本語版『マイロのふしぎな冒険』と原文を見くらべると、ことば遊びをどう訳したかの工夫がわかっておもしろいはず。言語と論理の遊びが好きなら、同じ1960年代の科学ファンタジー A Wrinkle in Time、ことばの手がかりで謎を解く The Westing Game へ。もっとやさしい旅のファンタジーなら The Lion, the Witch and the Wardrobe、長い旅をじっくり味わうなら The Hobbit もよい次の一冊です。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら

A Wrinkle in Time
Madeleine L'Engle
「ファンタジー」「冒険」のお話・同じくらいの長さ

The Westing Game
Ellen Raskin
「笑える」「ことば遊び」のお話・同じくらいの長さ

The Lion, the Witch and the Wardrobe
C. S. Lewis
「ファンタジー」「冒険」のお話・同じくらいの長さ

The Hobbit
J. R. R. Tolkien
「冒険」「ファンタジー」のお話・同じくらいの長さ

James and the Giant Peach
Roald Dahl
「冒険」「ファンタジー」のお話・同じくらいの長さ
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。
