文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/03
どんなお話?(ネタバレなし)
飛込み競技にかける少年たちの物語、完結編です。
オリンピック代表の座をめぐる選考が、いよいよ近づいてきます。大技に挑みつづける坂井知季、元オリンピック選手の父を持ち、クラブのエースとして努力を重ねてきた富士谷要一、海で育った野性の飛込みを持つ沖津飛沫。三人は同じ夢を追う仲間であり、ただ一つの座を争うライバルでもあります。
下巻では、これまで知季の陰にいた要一の胸の内が、深く描かれていきます。10メートルの台の上で、三人はそれぞれ何を思い、どんな飛込みを見せるのでしょうか。
こんな子におすすめ
上巻を読んで、知季・要一・飛沫の誰かを応援したくなった子に。とくに、努力を重ねてきたのに「当たり前にできる人」と見られがちな子は、要一の葛藤に深く共感できるはずです。結果よりも、自分が納得できる戦い方にこだわる物語なので、試合や発表会を控えた子の背中も押してくれます。
読みどころ
- 上巻ではクールなエースに見えた要一の、弱さや怒り、誇りが正面から描かれます。天才と呼ばれる少年の内側を知ると、上巻の場面まで違って見えてきます。
- 最後の選考会の場面。三人の一本一本の飛込みが、わずか1.4秒とは思えない密度で描かれ、読んでいるこちらまで息を止めてしまいます。
- 「勝つこと」と「自分の飛込みをすること」は同じなのか。三人がそれぞれの答えを出していく過程が、スポーツ小説をこえた問いを投げかけます。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
下巻は、代表選考に向けた日々と、最後の選考会までを描きます。
努力と実績を積みあげてきた要一は、周囲の大人たちの判断によって、自分の力とは別のところで代表に近づいていきます。けれども要一は、それを素直に喜ぶことができません。仲間やライバルと正面から競いあって勝ちとるのでなければ意味がない――要一は、自分にとっての飛込みと、選手としての誇りを見つめなおします。
知季は、夏陽子のもとで、さらにむずかしい大技の完成を目ざします。恐怖や迷いと向きあいながら、「好き」だけではない、自分の意思で飛ぶ選手へと変わっていきます。腰の痛みを抱える飛沫も、海で飛んでいたころの自分と、プールで点数を競う自分とのあいだで揺れながら、最後の舞台に向かいます。
選考会では、三人がそれぞれの持てる力をすべてぶつけます。要一は完成度の高い演技を見せ、飛沫は祖父ゆずりのスワンダイブに、知季は前宙返り四回半に挑みます。オリンピックの飛込み代表の座をつかんだのは知季でした。要一は個人では届かなかったものの、シンクロナイズドダイビングの代表に選ばれ、腰の故障をおして飛んだ飛沫は選考にもれ、治療のためアメリカへ渡って次の機会に照準を合わせます。結果の数字だけでは語れない、三人それぞれの「たどり着いた場所」が描かれ、少年たちの長い夏は幕を閉じます。
読んだあとに話したいこと
- 要一は、なぜ代表に近づいたことを素直に喜べなかったんだろう?
- 結果が出なくても「やりきった」と思えるのは、どんなとき?
- 三人のなかで、いちばん成長したと思うのはだれ?
おうちの方へ
上下巻の下巻で、必ず『DIVE!! 上』を読んでから手にとってください。下巻は要一の視点が大きく、代表選考の結末が描かれます。大人の事情で選考が左右される場面もあり、スポーツの世界の厳しさを考えるきっかけになります。軽い恋愛描写はありますが控えめ。ひとり読みは小学6年生〜中学生が目安です。
次に読むなら
まだの人は、まず『DIVE!! 上』から。読み終えて、ほかの部活小説に進むなら、高校陸上部の三年間を追う『一瞬の風になれ』が近い読み心地です。天才と凡人、競いあう者たちの心を描く物語としては、ピアノコンクールが舞台の『蜜蜂と遠雷』も、少し背のびして読んでみてください。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





