文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/09/28
どんなお話?(ネタバレなし)
100万年も死なないねこがいました。100万回死んで、100万回生きたのです。王さまのねこだったことも、船のりのねこ、サーカスのねこ、どろぼうのねこだったこともあります。飼い主たちはみんな、ねこが死ぬたびに大泣きしました。
けれども、ねこはだれのことも好きではありませんでした。自分のことが大すきで、死ぬのなんかへっちゃらだったのです。
ある日、ねこはだれのねこでもない、のらねこになりました。そこで出会ったのは……。何度生きても知らなかった気持ちに、ねこは出会えるのでしょうか。
こんな子におすすめ
「絵本はもう卒業」と思いはじめた高学年の子や、飼っていたペットや祖父母を見送ったことのある子に。幼い子は筋の面白さとして、大きい子は「好き」とは何かを問う話として受けとるので、読む年齢によって残るものが変わります。自分のことがいちばん大事な年ごろの子ほど、ねこの変化が胸に残るはずです。
読みどころ
- 前半は、飼い主が王さま、船のり、サーカスの手品つかい……と入れかわるたびに、ほぼ同じ型の文がくり返されます。このくり返しがあるからこそ、のらねこになってからの場面で空気ががらりと変わるのがくっきり伝わります。
- 作者自身が描いたねこは、決してかわいらしくはありません。ふてぶてしい目つき、胸をそらした自慢げな姿。ページごとに表情を追っていくと、文章では語られていない気持ちの動きが見えてきます。
- 白いねこは、ねこの自慢話にもほとんど心を動かされたようすを見せません。ちやほやするほかのめすねことの対比が、ねこの心がゆらぎはじめる瞬間を、静かに際立たせています。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
ねこは、王さま、船のり、サーカスの手品つかい、どろぼう、ひとりぐらしのおばあさん、小さな女の子と、次々にちがう飼い主のもとで生き、そのたびに死にました。飼い主たちはみな泣きましたが、ねこ自身は一度も泣いたことがありませんでした。
のらねこになったねこは、初めて自分だけのねことして生き、りっぱなとらねこだったので、たくさんのめすねこにちやほやされます。ところが、一ぴきの白いねこだけは、ねこの自慢話に見向きもしません。ねこは気になってしかたがなく、やがて自慢をやめて、そばにいたいと伝え、白いねこといっしょにくらすようになります。
ふたりのあいだには子ねこがたくさん生まれ、子どもたちはやがて巣立っていきました。ねこは、白いねこと子ねこたちを、自分よりも好きになっていたのです。
年をとった白いねこは、ある日、ねこのとなりで静かに動かなくなります。ねこは初めて泣きました。100万回も泣きつづけ、そしてとうとう白いねこのとなりで動かなくなりました。ねこは、もう決して生きかえりませんでした。
読んだあとに話したいこと
- ねこは、どうしてどの飼い主のことも好きになれなかったのだと思う?
- 「自分が大すき」と「だれかが大すき」は、どうちがうのかな。
- もしあなたが白いねこだったら、自慢ばかりするねこをどう思う?
おうちの方へ
「死」と「愛すること」を正面から描いた絵本で、最後はとても切ない場面で終わります。小さな子には、なぜねこが生きかえらなかったのかを急いで説明せず、感じたことを聞いてあげてください。読み聞かせは年長さんから、大人が読んでも心に残る一冊です。
次に読むなら
だれかがいなくなったあとに残るものを描いた絵本なら、スーザン・バーレイ『わすれられないおくりもの』が、この本の余韻をやわらかく受けとめてくれます。高学年になったら、身近な人の死を見つめる読みものとして『夏の庭』や『西の魔女が死んだ』へ。分量は何十倍にもなりますが、失ってはじめてわかる気持ち、という芯は通じあっています。
読んだ人の感想
読みこみ中…
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あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





