文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/09/28
どんなお話?(ネタバレなし)
中学に入ってまもなく、まいは学校へ行けなくなりました。ママのすすめで、まいは初夏のひと月あまりを、田舎に住むおばあちゃんの家で過ごすことになります。おばあちゃんはイギリス人で、まいは心のなかで「西の魔女」と呼んでいます。
「魔女になるには修行が必要よ」。おばあちゃんがまいに教えたのは、早寝早起きをして、きちんと食べ、よく体を動かし、何ごとも自分で決めること。野いちごのジャム作りや庭仕事をしながら、まいの心は少しずつほどけていきます。
こんな子におすすめ
学校や人間関係に疲れて、少し立ち止まりたい気持ちを抱えている子に。まいのように学校へ行けない時期を過ごしている子にとっては、責められることなく読める物語になるはずです。料理や庭仕事、自然のなかの暮らしが好きな子、ゆっくりした時間の流れを楽しめる高学年から中学生に向いています。
読みどころ
- おばあちゃんの言う「魔女修行」は、呪文でもほうきでもなく、早寝早起きや、自分で決めることといった日々の暮らしそのもの。ファンタジーを期待すると肩すかしですが、その意外さこそが物語の核になっています。
- 野いちごを摘んでジャムを煮る場面、庭の手入れや洗濯物を干す場面など、手を動かす描写がどれも鮮やかです。草のにおいや初夏の日ざしまで、ページから伝わってくるようです。
- おばあちゃんはまいを甘やかさず、けれど決して頭ごなしに否定もしません。対等に向きあう会話の一つひとつに、大人が子どもを尊重するとはどういうことかが表れています。
- 文庫に収められた短編「渡りの一日」は、本編のあとのまいを描いた作品。読後の余韻をもう少しだけ味わいたいときの、うれしいおまけです。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
おばあちゃんとの暮らしのなかで、まいは魔女修行にとりくみ、自分の気持ちと向きあっていきます。まいが「人は死んだらどうなるの」とたずねると、おばあちゃんは、魂は体から離れて自由になるのだと考えていることを話し、いつか自分が死んだらそれをまいに知らせると約束します。
けれど、近所に住むぶっきらぼうなゲンジさんを、まいはどうしても好きになれません。ゲンジさんのことでまいがひどい言葉を口にし、おばあちゃんとのあいだにわだかまりが残ったまま、まいはパパとママのもとへ帰り、新しい学校に通いはじめます。
二年後、おばあちゃんが倒れたという知らせが届き、まいが駆けつけたときには、おばあちゃんはすでに亡くなっていました。後悔にしずむまいでしたが、台所の窓ガラスに、おばあちゃんが約束どおり残した、まいへのメッセージを見つけます。まいはおばあちゃんの愛情を受けとり、涙のなかで心から感謝するのでした。文庫には後日談の短編「渡りの一日」も収められています。
読んだあとに話したいこと
- おばあちゃんの「魔女修行」のなかで、あなたも明日からできそうなことはある?
- 「自分で決める」って、どうしてむずかしいんだろう?
- まいは、どうしてゲンジさんのことを好きになれなかったのかな。
おうちの方へ
不登校の少女と祖母の暮らしを通して、生き方や死について静かに考えさせる物語です。タイトルどおり祖母の死が描かれ、最後は涙を誘います。死や学校に行けない気持ちに向きあう内容なので、ひとり読みは小学6年生〜中学生が目安。読後に家族で「魂」について話すきっかけにも。
次に読むなら
大切な人の死と、ひと夏の交流を描いた湯本香樹実『夏の庭』は、少年たちの視点から同じテーマに向きあう一冊。読みくらべると、死の受けとめ方のちがいが見えてきます。学校に行けない中学生たちがふしぎな城に集う『かがみの孤城』は、ずっと長く謎解きの要素もありますが、「学校以外の居場所」を描く点で深くつながっています。13歳の魔女のひとり立ちを描く『魔女の宅急便』は、同じ「魔女」ということばから入れる、もっと明るい物語です。
読んだ人の感想
読みこみ中…
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あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





