文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/09/29
どんなお話?(ネタバレなし)
死んだはずの「ぼく」の魂の前に、プラプラと名のる天使があらわれます。ぼくは生前に大きなあやまちを犯したため、本来は生まれ変わることができない魂でした。ところが抽選に当たり、もう一度だけ挑戦のチャンスがもらえたというのです。
その方法は、自殺をはかったばかりの中学3年生・小林真の体に「ホームステイ」し、下界で暮らしながら自分の罪を思い出すこと。ぼくは真として目を覚まし、家族や学校と向きあうことになります。ほろ苦くてユーモラスな、魂の再挑戦がはじまります。
こんな子におすすめ
家族や友だちに対して「どうせ誰もわかってくれない」と感じている子に。外から自分の人生をながめる「ぼく」の視点は、身近な人を少しちがう角度から見なおすきっかけになります。重いテーマでもユーモアのある語りなら読める、という中学生にもすすめやすい一冊です。
読みどころ
- 天使プラプラの軽い口調と、ぼくのつっこみの掛けあい。深刻な状況なのに思わず笑ってしまうテンポのよさが、重いテーマを最後まで読ませてくれます。
- 他人の人生に「ホームステイ」するという設定のおかげで、ぼくは真の家族や同級生を、先入観なしに見なおすことができます。同じ人がちがって見えてくる過程が、物語の中心です。
- タイトルの「カラフル」にこめられた意味が、終盤でくっきりと浮かびあがります。人を一色で決めつけないことが、自分自身を受け入れることにもつながっていきます。
- 真の家族や同級生は、はじめは嫌な人に見えても、物語が進むにつれて少しずつ印象が変わっていきます。一度読み終えてから読み返すと、最初の場面の見え方がまったくちがってくるのもこの本の楽しみです。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
真として暮らしはじめたぼくは、プラプラから、真を追いつめた事情を少しずつ聞かされます。父は自分のことしか考えない人に見え、母は習いごとの先生と不倫をしていて、兄の満は意地悪な態度ばかり。学校に友だちはおらず、真が思いを寄せていた後輩のひろかは、年上の男性とつきあっていました。
けれど他人のつもりで向きあうぶん、ぼくは真よりも気楽にふるまえます。美術部で絵を描き、同級生の早乙女くんと友だちになり、真を気にかけていた佐野唱子とも言葉をかわすうちに、家族や周囲の人たちの別の面が見えてきます。母には母の弱さと苦しみがあり、父にも兄にも、真を大切に思う気持ちがありました。人は誰もが一色ではなく、いろいろな色を持っているのだと、ぼくは気づいていきます。
期限が近づき、ぼくはついに自分の罪を思い出します。それは、自分自身を殺したこと――ぼくは、ほかならぬ小林真本人の魂だったのです。真として生きなおすことを選んだぼくは、家族と向きあい、早乙女くんと同じ高校を目ざす道を歩きはじめます。
天使プラプラとの別れの場面には、少しのさびしさと、あたたかい余韻が残ります。
読んだあとに話したいこと
- 家族や友だちの「意外な一面」に気づいたことはある?
- 人を一色で決めつけてしまうのは、どんなときだろう?
- もし他人の目で自分の毎日を見られたら、何が見えると思う?
おうちの方へ
主人公が自殺をはかった少年の体で暮らす設定で、母親の不倫、後輩の少女が年上の男性と関係をもつ話など、中学生らしい重い題材が出てきます。語り口は軽やかで笑える場面も多く、読後感は明るいです。ひとり読みは中学生が目安。死にたい気持ちを抱える子には、そばで話を聞ける大人がいると安心です。
次に読むなら
学校や家族に居場所をなくした中学生が、ふしぎな場所で自分を取りもどす物語として『かがみの孤城』がよく似た読み心地です。同じ森絵都の『DIVE!!』は、飛込み競技に打ちこむ少年たちを描いたスポーツ小説で、まったく別の森絵都に出会えます。夜の屋根で少年少女が出会う『宇宙のみなしご』も、同じ作者の短めの作品として手にとりやすい一冊です。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





