文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/09/28
どんなお話?(ネタバレなし)
中学1年生のこころは、ある出来事がきっかけで学校へ行けなくなり、毎日自分の部屋に閉じこもって過ごしています。ある日、部屋の鏡がとつぜん光りだし、手をのばしたこころは、鏡のむこうのふしぎなお城に吸いこまれてしまいます。
そこにいたのは、狼の面をかぶった少女「オオカミさま」と、こころと同じような境遇らしい6人の中学生。お城のどこかに隠された鍵を見つければ、どんな願いでもひとつだけかなうというのです。7人の、長くてふしぎな一年がはじまります。
こんな子におすすめ
学校に行きづらさを感じている子や、クラスに居場所がないと感じたことのある子に。城に集まる7人の事情はそれぞれちがうので、どこかに自分と重なる誰かが見つかるかもしれません。分厚い本に尻ごみしない読書好きの中学生はもちろん、伏線が一気につながる快感が好きな子なら、550ページを超える長さもあっという間です。
読みどころ
- 城には開いている時間があり、破ってはいけない決まりがあります。このルールが物語に緊張感を与え、7人が集まれる理由とその限界の両方をかたちづくっています。
- はじめは互いに探りあい、ぎこちない距離をとる7人。城での過ごし方や話しぶりに、それぞれの性格と、口に出さない事情がにじみ出てきます。
- こころの視点で語られる現実の場面では、朝、学校に行けないときの体の重さや、親との会話のすれちがいが細かく描かれています。当事者でなくても、その苦しさを内側から想像できる書き方です。
- 何気ない会話や小さな違和感が、後半で次々と意味を持ちはじめます。読み終えたあと、最初のほうのページをめくり直したくなる構成です。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
お城は朝9時から夕方5時まで開き、期限は翌年の3月30日。5時をすぎて残ると狼に食べられるという決まりがありました。こころはアキ、スバル、フウカ、マサムネ、リオン、ウレシノとぎこちなく交流を重ね、しだいにそれぞれが学校に行けない事情を抱えていることを知ります。こころ自身は、同級生の真田美織たちからひどいいじめを受けていたのでした。
7人は現実の世界でも同じ雪科第五中学に通っているとわかり、学校で会おうと約束しますが、なぜか誰とも会えません。やがて、7人はそれぞれちがう年代を生きていることが明らかになります。
期限の直前、アキが決まりを破って5時をすぎても残り、狼に食べられてしまいます。こころは手がかりから鍵を見つけ、願いをアキを救うことに使って、仲間たちを取りもどします。オオカミさまの正体は、病気で亡くなったリオンの姉ミオで、お城は彼女の願いが形になった場所でした。
お城の記憶は消えますが、こころは現実の世界で一歩をふみだします。こころを支えていたフリースクールの喜多嶋先生は、大人になったアキだったのです。
読んだあとに話したいこと
- 7人のうち、いちばん気になった人はだれ? どうしてその人が気になったのかな。
- 「学校以外の居場所」って、あなたにとってはどこだろう?
- 願いがひとつだけかなうとしたら、何を願う? 読む前と読んだあとで、その答えは変わった?
おうちの方へ
いじめや不登校に苦しむ子どもたちの居場所を描いた長編ミステリーです。いじめの場面は具体的で、読んでつらくなる子もいます。登場人物の家族の死(病死)も描かれます。ひとり読みは小学6年生〜中学生が目安。伏線が多く、最後の数十ページで一気に謎がとけるのが魅力です。
次に読むなら
学校に行けなくなった少女が、別の場所で少しずつ自分を取りもどしていく物語としては『西の魔女が死んだ』が近い位置にあります。こちらは謎解きではなく、祖母との暮らしが静かに描かれます。はじめて学校に通う少年の一年を、本人以外の目からも語る『ワンダー』は、複数の視点で人の気持ちが見えてくる点が共通しています。夜の屋根にのぼる中学生たちを描いた『宇宙のみなしご』は分量が少なく、長編の前後に読むのにちょうどいい一冊です。
読んだ人の感想
読みこみ中…
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この本を紹介している記事
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





