文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/03
どんなお話?(ネタバレなし)
中学2年生の陽子と、1つ下の弟リン。仕事でいそがしい両親のもと、ふたりはいつも自分たちで遊びを考えだしてきました。いま夢中になっているのは、真夜中にこっそり家を抜けだして、よその家の屋根にのぼること。
屋根の上で見上げる夜空は、昼間のわずらわしさをすべて忘れさせてくれます。ところがある日、クラスメイトの七瀬さんや、いじめられっ子のキオスクまでが、このひみつの遊びにかかわることに。それぞれにひとりぼっちを抱えた4人の、夜の屋根の物語です。
こんな子におすすめ
クラスのなかで自分の居場所に迷っている中学生前後の子に。いつも一緒にいるきょうだいがいる子なら、陽子とリンの関係に自分たちを重ねられるでしょう。にぎやかな友だち付き合いより、ひとりで考える時間を大切にしている子にとって、夜の屋根の上の静けさは特別な景色に映るはずです。
読みどころ
- 真夜中に屋根にのぼるという、ひみつの遊びが物語の中心。昼間の学校とはまったく違う夜の世界が、登場人物たちの本音が出てくる場所として描かれます。
- 陽子とリン、七瀬さん、キオスクの4人は、性格も学校での立ち位置もばらばら。それぞれが抱えるひとりぼっちの形が少しずつ違うところに、この物語の細やかさがあります。
- 仕事で忙しい両親のもと、自分たちで遊びを発明してきた陽子とリン。大人に頼らずに支え合うきょうだいの距離感が、甘すぎず印象的に描かれています。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
好きだった担任の先生が学校を去って以来、学校を休んでいた陽子は、新しい担任の訪問をきっかけに、また通いはじめます。陽子とリンの屋根のぼりには、まずクラスのグループからはじきだされていた七瀬さんが加わります。ある夜、3人が屋根にいるところを、クラスでいじめられているキオスクに見られてしまい、キオスクも仲間に入ろうとします。けれどキオスクは、こわくて、どうしても屋根にのぼることができませんでした。
その後、キオスクが屋根から落ちてけがをしたという知らせが届き、学校では、自殺をはかったのではないかといううわさが広がります。けれど本当は、キオスクはひとりで屋根のぼりに挑もうとして、落ちてしまったのでした。
キオスクが誤解されたままにならないよう、陽子は自分たちが屋根のぼりをしていたことを学校の大人たちに打ち明けます。そして4人は、最後にもう一度そろって屋根にのぼります。人はみな、宇宙のなかでひとりぼっちのみなしごのようなもので、自分で光らなければ暗闇に消えてしまう。けれど、だからこそ手をつなぎあうことができる――陽子は夜空の下で、そのことを胸に刻むのでした。
読んだあとに話したいこと
- 陽子とリンは、どうして屋根にのぼる遊びに夢中になったんだと思う?
- キオスクがどうしても仲間に入りたかった気持ちを、どう思った?
- タイトルの「宇宙のみなしご」ってどういう意味だと思う?
- 4人のなかで、自分にいちばん近いと思うのはだれ?
おうちの方へ
思春期の孤独と、人とつながることの意味を描いた短めの長編です。いじめや、夜中に家を抜けだして屋根にのぼる危険な遊びが描かれるので、まねしないよう一言そえると安心です。170ページほどと長すぎないので、長編に慣れていない中学生にも。ひとり読みは小学6年生〜中学生が目安。
次に読むなら
森絵都の作品をもっと読むなら、中学生の揺れる心を描いた『つきのふね』や、一度死んだ魂がやり直しの機会を与えられる『カラフル』へ。学校に居場所をなくした子どもたちがつながっていく物語として『かがみの孤城』、祖母との暮らしのなかで心を取りもどす『西の魔女が死んだ』もあわせて読みたい作品です。友だちとの関係を海外の物語で読むなら『テラビシアにかける橋』も近いテーマを持っています。
読んだ人の感想
読みこみ中…
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この本を紹介している記事
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





