文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/03
どんなお話?(ネタバレなし)
カザルム学舎で学ぶエリンは、傷ついた幼い王獣リランの世話を続けています。竪琴の音でリランと心を通わせるうちに、エリンは、人が王獣をどう育ててきたのか、そのやり方に大きな疑問を抱くようになります。
けれど、王獣は真王の権威のしるしであり、人が王獣を思いのままに動かすことは、国の掟にかかわる大きな秘密でもありました。真王と大公、ふたつの勢力の対立が深まるなかで、エリンとリランの絆は、やがて国の行く末にまで関わっていきます。『闘蛇編』から続く物語が、大きく動きだす後編です。
こんな子におすすめ
『闘蛇編』を読んで、エリンとリランのその後が気になっている子に。生きものを大切に思う気持ちと、その生きものを利用しようとする大人の世界との間で揺れる主人公に、じっくりつきあえる子に向いています。権力や戦争のしくみにも関心が出てきた、中学生前後の読書好きに。
読みどころ
- エリンがリランを育てる日々は、成功だけでなく、失敗や恐怖もまじえて描かれます。獣は人になついても獣である、というきびしさが、物語に重みを与えています。
- 真王と大公の対立は、どちらかが悪者という単純な形ではありません。国を守るしくみそのものが、ある秘密の上に成り立っていることが見えてきます。
- Iで語られた母ソヨンと霧の民の掟が、IIでは物語の中心の問いとしてよみがえります。2冊を通して読むと、母から娘へ受けつがれたものの意味が浮かびあがります。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
エリンの世話で、リランは学舎で育てられてきた王獣とはちがい、力強く空を飛べるほどに育っていきます。エリンは、王獣をおとなしくさせるための薬の入った水や、王獣の体をすくませる笛を使うことが、王獣本来の姿をゆがめているのではないかと考え、それらに頼らずにリランと向きあおうとします。
一方、国では、神聖な存在としてあがめられる真王と、闘蛇の軍を率いて国を守ってきた大公との対立が深まっていきます。エリンは真王を守る護衛の男イアルと出会い、王獣をあやつれる娘として、両方の勢力から目をつけられていきます。エリンは、母ソヨンが属していた霧の民が、なぜ獣を人があやつることをかたく禁じてきたのか、その意味に近づいていきます。
やがて、真王の甥ダミヤの陰謀によって、真王の一行が闘蛇に襲われます。エリンは、自分がリランと心を通わせてきたことが、獣を兵器として使う道を開いてしまうというおそろしさに向きあいながら、リランとともにその場へ飛びこみ、深い傷を負います。真王ハルミヤは命を落とし、ダミヤはイアルに討たれ、孫娘のセィミヤが新しい真王となります。セィミヤが大公の息子シュナンと結ばれることで争いはひとまず終わり、国は新しい形へ歩みだします。物語はここでいったん完結し、のちに『探求編』『完結編』が書かれました。
読んだあとに話したいこと
- エリンがリランを「あやつる」ことを、どう思う? それは友だちになることとちがうのかな?
- 霧の民が守ってきた掟は、正しかったと思う?
- もし大切なものが、だれかを傷つける力にもなるとしたら、あなたはどうする?
おうちの方へ
『獣の奏者 I 闘蛇編』の続きで、Iを読んでいないと話がわかりません。政治の駆け引きや戦いの場面が多くなり、獣が人を傷つける描写やエリン自身が深く傷つく場面もあります。ひとり読みは小学6年生〜高校生が目安。I・IIでひと区切りがつき、続きに『探求編』『完結編』があります。
次に読むなら
前作は『獣の奏者 I 闘蛇編』。IIはIの続きそのものなので、必ずIから読んでください。IIでひと区切りつきますが、その後のエリンを描く『III 探求編』『IV 完結編』もあります。同じ作者の『精霊の守り人』シリーズは、女用心棒バルサを主人公に、国と個人の関わりを冒険の形で描いています。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





