文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/03
どんなお話?(ネタバレなし)
ノルウェーのいなかに住む、ごくふつうのおばさん。ところがこの人には、ひとつだけふつうでないところがあります。いつ、どこでとも分からないまま、とつぜん体がティースプーンくらいの大きさに縮んでしまうのです。
それでもおばさんは、ちっともあわてません。小さくなると動物たちと話せるようになるので、ねずみに掃除をさせ、ねこにお皿を洗わせ、犬にベッドを整えさせて、だんなさんが帰るころには、何ごともなかったように元の大きさにもどっているのです。
だんなさんのポケットに入って買い物に出かけたり、カラスの会議に出たり、森へコケモモをとりに行ったり。小さくなるたびに、ゆかいな事件が待っています。
こんな子におすすめ
『ピッピ』のように、大人なのに型やぶりな主人公が好きな小学1〜4年生に。困った状況を知恵と口のうまさで切りぬける話なので、体が小さいことや力が弱いことを気にしている子にも、小さいからこそできることがあると伝わります。北欧のいなかの暮らしぶりも、絵と文からたっぷり味わえます。
読みどころ
- 小さくなる理由は最後まで説明されません。原因さがしや教訓を期待せず、「そうなったら、そのやり方でうまくやるしかない」というおばさんの割りきりを楽しむ本です。
- ふだんはただのペットに見えるねこや犬が、小さくなったおばさんの前では本音を語りだします。動物たちの言い分がどれもおかしく、北欧の民話の匂いがします。
- だんなさんとの関係が絶妙です。言いたい放題なのに、だんなさんが居心地よく過ごせるようにせっせと働く。夫婦のおかしみを子どもも感じとれます。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
この本には、スプーンおばさんの短いおはなしが十編あまり入っています。最初のおはなしでは、朝起きたら小さくなっていたおばさんが、家じゅうの動物をおだてたりおどしたりして家事を片づけ、だんなさんのパンケーキまで焼いてしまいます。はじめはだんなさんに秘密でしたが、やがてだんなさんも、小さくなった妻を見つけてしまいます。
だんなさんのポケットに入って店へマカロニを買いに行ったときは、好奇心にかられてはい出し、マカロニの引き出しに落ちてしまいますが、その窮地を逆手にとって、店主自慢の茶わんをただで手に入れます。コケモモつみに出かけた日には、きつね、おおかみ、くまの王さままで、口のうまさで次々に手伝わせます。カラスの集まりでは女王に選ばれ、自分でしかけたねずみとりにかかったときも、あわてずにねずみから、だんなさんのつまみ食いの話を聞きだします。
だんなさんの誕生日には、望みの銀の飾りつきパイプをさがして歩きまわります。それは、気乗りしないだんなさんを夏至のお祭りに連れていってもらうためで、お祭りではたき火用の木に登って燃やされそうになる大さわぎも。どのおはなしも、小さくなったことを困りごとではなく武器に変えて、おばさんが堂々と切りぬけるところで終わります。
読んだあとに話したいこと
- もし急にスプーンくらいの大きさになったら、最初に何をする? だれに手伝ってもらう?
- おばさんは動物たちをどうやって言うことを聞かせていた? ずるいと思う? 上手だと思う?
- 小さいからこそできることって、ほかにどんなことがある?
おうちの方へ
一話が短く独立しているので、1日1話の読み聞かせに向きます。ひとり読みは小学2・3年生から。おばさんが動物を「こき使う」場面の口の達者さが読みどころなので、せりふを少し芝居がかって読むと喜ばれます。『スプーンおばさんのぼうけん』『スプーンおばさんのゆかいな旅』と続き、NHKのアニメでも親しまれました。
次に読むなら
続編『スプーンおばさんのぼうけん』『スプーンおばさんのゆかいな旅』へ。同じ大塚勇三訳の『長くつ下のピッピ』は、強さの向きこそ正反対ですが、常識をひっくり返す痛快さが共通しています。少年二人の冒険『大どろぼうホッツェンプロッツ』、わがままな主人公の短編集『ぼくは王さま』も、笑いながら読める同じ時期の定番です。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





