文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/09/29
どんなお話?(ネタバレなし)
人とかかわらず、本ばかり読んで過ごしている高校生の「僕」。ある日、病院の待合室で一冊の文庫本を拾います。手書きで「共病文庫」と書かれたその本は、クラスメイトの山内桜良がひそかにつづっていた日記でした。そこには、彼女が膵臓の病気で、もう長くは生きられないことが書かれていました。
家族以外でただひとり秘密を知った「僕」を、桜良はなぜか気に入り、焼肉に、スイーツに、ついには遠くへの旅行にまで連れだします。正反対のふたりの、ぎこちなくて、まぶしい日々がはじまります。
こんな子におすすめ
人と深くかかわるのが苦手で、ひとりでいるほうが楽だと感じている人に。「僕」の心の動きに、自分を重ねられるかもしれません。ちょっと強引な友だちに振りまわされた経験のある人、残された時間の使い方や「生きるとは何か」を考えてみたい人にも。軽やかな会話で読みやすく、長い小説に慣れていない高校生の入口にもなります。
読みどころ
- 主人公の名前がずっと明かされず、周りの人が彼をどう思っているかによって呼び方が変わるという、ユニークなしかけがあります。
- 桜良と「僕」の会話は、冗談と皮肉が飛びかうテンポのよさで、重いテーマなのに思わず笑ってしまう場面がたくさんあります。
- インパクトのあるタイトルの本当の意味は、物語を読みすすめるうちにわかってきます。最初とはまったくちがう響きで受けとれるはずです。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
明るく人気者の桜良と、他人に興味をもたない「僕」。桜良は「死ぬまでにやりたいこと」に「僕」をつきあわせ、ふたりは福岡へ泊まりがけの旅行に出かけます。「真実か挑戦か」のゲームを通じて、ふたりは少しずつ本音を見せあうようになります。桜良の親友の恭子は「僕」を警戒し、桜良の元恋人との衝突も起こりますが、「僕」は初めて、誰かとつながることの意味を考えはじめます。
桜良は検査のため入院し、退院の日、ふたりはカフェで待ちあわせる約束をします。しかし桜良は現れません。病気ではなく、通り魔事件に巻きこまれて命を落としたのでした。
呆然とした「僕」は、桜良の家を訪ね、母親から共病文庫を受けとります。そこには、「僕」への思いと、彼のように自分の力で生きられる人になりたかったという言葉が記されていました。「僕」は初めて声をあげて泣きます。その後、「僕」は桜良の願いどおり恭子と友だちになろうと歩みより、物語の最後に、ずっと伏せられていた「僕」の名前が明かされます。
読んだあとに話したいこと
- もし残りの時間がかぎられていたら、あなたは何をしたい?
- 「僕」と桜良は、おたがいのどんなところにひかれたんだと思う?
- 人とかかわることは、めんどうなこと? それとも大切なこと?
おうちの方へ
重い病気を抱えた少女と、人づきあいの苦手な少年の関係を描いた青春小説です。ヒロインの死が物語の中心にあり、しかも病気ではなく通り魔事件による突然の死が描かれます。高校生男女の泊まりがけの旅行や同室の場面がありますが、性的な描写はありません。泣ける物語として中高生に人気ですが、身近な人を亡くしたばかりの子には注意を。
次に読むなら
死者と一度だけ再会できる使者を描く辻村深月『ツナグ』は、大切な人を失ったあとの思いに向きあう連作で、読後の涙の種類が少しちがいます。人生をやりなおす少年の物語『カラフル』は、生きることを別の角度から考えさせてくれます。高校生どうしの言えない思いが一晩で少しずつほどけていく『夜のピクニック』も、同じ年代の心の揺れを味わえる一冊です。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





