文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/09/29
どんなお話?(ネタバレなし)
大恐慌時代のカリフォルニア。農場から農場へと渡り歩く季節労働者のジョージとレニーは、いつもふたりで旅をしています。小柄で頭の回転が速いジョージと、力持ちで大きな体をしながら子どものように無邪気なレニー。レニーはやわらかいものをなでるのが大好きですが、力の加減ができません。
ふたりの夢は、いつか自分たちの小さな土地を持ち、レニーがウサギの世話をして暮らすこと。サリーナス・ヴァレーの農場で新しい仕事を得たふたりに、その夢は手の届くところまで近づいたように見えますが――。
こんな子におすすめ
短くても心に長く残る物語を読みたい高校生に。友情、孤独、そして夢が人を支える力とその残酷さが、ほとんど会話だけで描かれます。障害のある人や社会の弱い立場の人がどう扱われてきたかを考えるきっかけにもなり、アメリカ文学の古典に原書で挑む最初の一冊として分量的にもぴったりです。
読みどころ
- 全6章、まるで舞台劇のように場面が区切られ、会話を中心に進みます。実際にスタインベックは舞台化を意識して書いたとされ、映像が目に浮かぶような構成です。
- ジョージがレニーに何度も語る「夢の農場」の話は、ふたりにとって子守歌のようなもの。くり返されるたびに、その意味が少しずつ変わって聞こえてきます。
- キャンディの老犬の場面は、のちの出来事を静かに予告する大切な伏線。読み終えてからもう一度読み返すと、その重みがわかります。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
農場には、年老いた犬を飼う片手の老人キャンディ、ラバ使いの親方スリム、農場主の息子で喧嘩っ早いカーリー、その若い妻、そして黒人であるために寝床も別にされているクルックスがいます。キャンディの老犬は「もう役に立たない」と、仲間のカールソンに撃ち殺されます。
キャンディは貯金を出すからその夢に自分も加えてほしいと頼み、三人で土地を買う計画が現実味を帯びます。一方、レニーにからんだカーリーは、逆に手を握りつぶされてしまいます。
ある日曜日、レニーは納屋で子犬を誤って死なせてしまいます。そこへ来たカーリーの妻に髪をなでさせてもらいますが、彼女がこわがって叫ぶと、レニーは口をふさごうとして首の骨を折り、殺してしまいます。レニーは、困ったときに隠れるようジョージに言われていた川辺の茂みへ逃げます。
カーリーたちがレニーを殺そうと追ってくるなか、先に川辺に着いたジョージは、いつものように夢の農場の話をレニーに語って聞かせ、その途中でレニーの後頭部を撃ちます。スリムだけが、ジョージの選択の意味を理解するのでした。
読んだあとに話したいこと
- ジョージは最後に、ほかにどんな選択ができたと思う?
- 農場の人たちはみんな、それぞれどんなふうに孤独だった?
- かなわない夢でも、夢を持つことには意味があると思う?
おうちの方へ
約3万語と短い中編ですが、英語は英検準1級程度。労働者の話し言葉や方言、スラングが多く、会話の聞き取りならぬ読み取りに慣れが要ります。黒人を指す差別語(N-word)や差別的な扱い、動物と人の死、殺人、主人公による「慈悲の殺人」、女性への蔑視的な表現があり、高校生向け。邦訳は新潮文庫ほか。
次に読むなら
同じ時代の南部で、偏見と正義を描いた To Kill a Mockingbird(『アラバマ物語』)は、この物語と並んでアメリカの学校でよく読まれる一冊です。自然とたたかう孤独な人間を短く描いた The Old Man and the Sea(『老人と海』)も、同じくらいの長さで読める名作。知的障害のある主人公の心の内から語られる Flowers for Algernon(『アルジャーノンに花束を』)と読みくらべてもよいでしょう。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら

To Kill a Mockingbird
Harper Lee
「歴史」のお話・同じくらいの長さ

The Old Man and the Sea
Ernest Hemingway
同じくらいの長さ

Flowers for Algernon
Daniel Keyes
「泣ける」のお話・同じくらいの長さ

The Book Thief
Markus Zusak
「歴史」「友情」のお話・同じくらいの長さ

Freak the Mighty
Rodman Philbrick
「友情」「泣ける」のお話・同じくらいの長さ
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。
