文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/03
どんなお話?(ネタバレなし)
一生に一度だけ、亡くなった人と一晩だけ会わせてくれる「使者(ツナグ)」。『ツナグ』の続編です。
前作から7年。渋谷歩美はもう高校生ではなく、会社員として働きながら、祖母から引きついだ使者の役目をひそかに続けています。
そんな歩美のもとに、今日もさまざまな人が依頼にやってきます。亡き親友に会いたいと願う女優の代わりにやってきた若手俳優。資料でしか知らない郷土の名士に会いたいという元教員。若くして亡くした娘を思う母親たち。工房を継ぐかどうか迷う一人娘。そして、若いころの想い人をたずねて来た85歳の老人。死者との一度きりの再会は、依頼人に何をもたらすのか。生者と死者をつなぎつづけてきた歩美自身にも、初めての迷いが訪れます。
こんな子におすすめ
前作『ツナグ』で歩美と使者の物語に心を動かされた人に。高校生だった歩美が大人になり、仕事と使者の役目の両方を抱えて生きる姿が描かれるので、進路や将来を考えはじめた高校生にも響きます。死者との再会を通して、生きている人との関係を見つめなおしたい人に。
読みどころ
- 使者の歩美が大人になったこと。前作では見習いだった彼が、依頼人とどう向きあうようになったのか、その変化を前作と比べながら読めます。
- 依頼人ごとに願いも結末もまったく違う連作の形。一度きりの再会をどう使うかという問いが、章ごとに新しい角度から投げかけられます。
- 前作の登場人物が思いがけない形で顔を出します。『ツナグ』を読んでいると、7年という時間の重みがいっそう伝わってきます。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
物語は前作と同じく、依頼人ごとの章で進む連作です。
「プロポーズの心得」では、若手俳優のゆずるが、亡くなった親友にもう一度会いたいと願う女優・嵐美砂の代わりに依頼にやってきます。代理の依頼は受けられないと断られたゆずるは、せっかくの機会だからと、顔も知らない自分の父に会うことを選びます。
「歴史研究の心得」では、元教員の鮫川が、長年研究してきた郷土の名士・上川岳満を指名します。「母の心得」では、国際結婚した娘を若くして亡くした母と、病気で娘を亡くした母、二人の母親がそれぞれ娘と向きあいます。「一人娘の心得」では、鶏野工房の一人娘・奈緒が、工房を継ぐことについて亡き父の本心を知りたいと願います。
表題作「想い人の心得」の依頼人は、85歳の蜂谷茂。若いころに奉公していた京都の料亭「袖岡」の令嬢・絢子に、ひと目会いたいという願いです。
再会を果たした人のなかには、救いを得る人もいれば、会うことで新しい問いを抱える人もいます。依頼人たちの切実な思いにふれるなかで、使者を7年つとめてきた歩美は、初めて自分の役目に迷い、ひとりの大人として、これからの生き方を決める時を迎えます。
読んだあとに話したいこと
- もし一度だけ亡くなった人に会えるなら、だれに会って何を聞きたい?
- 死者に会うことで、かえってつらくなることもあるのかな。
- 前作から大人になった歩美の、どんなところが変わったと思う?
おうちの方へ
『ツナグ』の続編なので、前作を読んでから手にとるのがおすすめです。前作の登場人物も顔を出します。前作同様、どの章にも死が描かれ、娘を亡くした母親の話など重いテーマも含まれます。怖い話ではありませんが、身近な人を亡くした経験のある子には強く響くので見守ってください。章ごとに区切りがあり、少しずつ読めます。
次に読むなら
まだの人は、まず前作『ツナグ』から。同じ辻村深月の『かがみの孤城』は、ふしぎな城に集まる中学生たちの物語で、最後に伏線が一気につながる構成を楽しめます。生と死を少し軽やかに見つめる物語なら、森絵都の『カラフル』もおすすめです。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





