文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/03
どんなお話?(ネタバレなし)
小学6年生の「ぼく」木山と、友だちの山下、河辺。山下がおばあさんのお葬式に出たことをきっかけに、三人は「人が死ぬって、どういうことだろう」と気になりはじめます。
そこで思いついたのが、町はずれにひとりで住む、今にも死にそうなおじいさんを見張ること。ところが、こっそり見張っているうちに、おじいさんは三人に気づき、ごみだらけだった暮らしが少しずつ変わっていきます。ひと夏の、少年たちとおじいさんの物語です。
こんな子におすすめ
身近な人のお葬式にはじめて出た、あるいはペットを亡くしたばかりで、「死ぬってどういうこと?」と考えこんでいる子に。男の子三人の軽口の多い会話で進むので、重いテーマのわりに読み口は意外なほど軽やかです。友だちと秘密の計画を立てるのが好きな、小学校高学年から中学生くらいの子に向いています。
読みどころ
- 物語は「ぼく」こと木山の一人称で語られます。三人の会話はテンポがよく、ふざけ合いのなかにふと本音がこぼれる瞬間が、この年ごろの男の子どうしの距離感をそのまま映しています。
- 見張る側と見張られる側だった関係が、洗濯物やごみ出しといった暮らしの細かな用事を通して変わっていきます。劇的な出来事より、日々の小さな積み重ねで心が近づいていく過程がていねいです。
- 草むしり、ペンキ塗り、種まきと、庭の手入れが進むにつれて、おじいさんの家の景色が変わっていきます。庭の変化が、四人の関係の変化と重なって見えるように書かれています。
- 三人はそれぞれ、家や学校で口に出しにくい悩みを抱えています。おじいさんの家に通う時間が、三人にとって自分自身と向きあう場所にもなっていくところに、この物語の奥行きがあります。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
見張られていることに気づいたおじいさんは、はじめは三人をどなりつけますが、やがて洗濯物干しやごみ出しを手伝わせるようになり、いつのまにか四人は友だちになります。おじいさんの家に通ううちに、三人はそれぞれが抱えていた家や学校での悩みとも向きあいはじめます。三人は荒れ放題だった庭の草をむしり、家のペンキを塗りなおし、庭にコスモスの種をまきます。
おじいさんは、戦争で南の島に行ったとき、人を殺してしまったつらい過去を三人に打ちあけます。また、昔別れた奥さんがいることを知った三人は、その人をさがしに老人ホームを訪ねます。
夏の終わり、サッカーの合宿から帰った三人がおじいさんの家へ行くと、おじいさんは布団のなかで静かに亡くなっていました。「死」を見たいと思っていた三人は、大切な人を失う悲しみを知ります。お葬式のあと、家は取り壊され、三人はそれぞれ別の中学へ進みます。けれど、おじいさんと過ごした夏は、三人のなかにずっと残るのでした。
読んだあとに話したいこと
- 三人は、どうしておじいさんを見張ろうと思ったのかな。その気持ちは、話が進むにつれてどう変わった?
- おじいさんが戦争の話をしたとき、三人はどんな気持ちで聞いていたと思う?
- 年のはなれた人と仲よくなったことはある? どんなきっかけだった?
おうちの方へ
死を好奇心から見つめはじめた少年たちが、おじいさんとの交流を通して生と死の重さを知る物語です。大切な人の死、戦争で人を殺した告白の場面があり、読後に涙する子も多い本です。ひとり読みは小学5・6年生から。夏休みの読書感想文の定番でもあります。
次に読むなら
祖母と孫の暮らしを通して死を描いた梨木香歩『西の魔女が死んだ』は、同じく夏の日々と大切な人との関わりを扱いながら、女の子の視点で静かに進む物語です。二冊を読みくらべると、「死」への近づき方のちがいが見えてきます。ふたりだけの秘密の王国をつくる少年と少女を描いた『テラビシアにかける橋』も、読後に長く考えさせられる一冊。仲間だけで大人に立ち向かう痛快さを味わいたいなら、『ぼくらの七日間戦争』で気分を変えるのもいいでしょう。
読んだ人の感想
読みこみ中…
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この本を紹介している記事
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





