入学・進級の春に読みたい本|新しい友だちと学校の9冊
選・文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/09/28
春は、子どもにとって「はじめて」が一度にやってくる季節です。新しい教室、新しい先生、まだ名前を知らないクラスメイト。楽しみな気持ちと同じくらい、不安をかかえている子も少なくありません。この特集では、新しい環境や友だち、学校を描いた本を、対象年齢の低い順に選びました。
選ぶときに大切にしたのは、「がんばれ」と背中を押すだけの本ではなく、心細さや、うまくいかない気持ちをそのまま描いている本かどうかです。登場人物が迷ったり失敗したりする姿を読むことで、子どもは自分の気持ちに名前をつけやすくなります。
入学前の年長さん向けの絵本から、中学進学をひかえた子向けの長編まで幅があります。新学期が始まる前に読むのも、始まって少し疲れが出てくる4月の終わりごろに手渡すのもよいと思います。
年中〜小2ごろに。保育園でけんかをして、おしいれに入れられたさとしとあきらが、意地を張りながらも暗やみの冒険を一緒に乗りこえていくお話です。友だちとぶつかる場面がこれから増えていく入学前後の子に、「けんかしても、また一緒にいられる」という手ごたえを届けてくれます。ねずみばあさんの絵は迫力があるので、こわがる子には2〜3回に分けて読んでもかまいません。
あらすじ・対象の目安を見る小1・2年生に。がまくんとかえるくんは性格がまるでちがうのに、相手を思う気持ちでつながっています。新しいクラスで、自分とはちがうタイプの子と出会ったときの戸惑いに、やさしく寄りそってくれる短いお話が5つ。1話が10ページあまりなので、入学したばかりで疲れている時期でも、寝る前に1話ずつ読めます。ひらがなが読めるようになった子の、ひとり読みの一冊にも。
あらすじ・対象の目安を見る小3〜6年生向けの英語の本。新しい町になじめずにいたオパールが、一匹の犬をきっかけに、図書館の司書や「魔女」とうわさされる女性など、町の大人たちと一人ずつ知りあっていきます。転校や引っ越しで知らない場所に来た子に、「誰かの話を聞くことから居場所ができていく」ことを見せてくれる物語です。日本語版はポプラ社から出ています。
あらすじ・対象の目安を見る小3〜6年生向けの英語の本。とことん大げさに描かれるトランチブル校長と、やさしいけれど弱さも抱えたハニー先生。学校にはいろいろな大人がいて、子どもが大人を助けることもある、という逆転が痛快な物語です。新しい担任との出会いにどきどきしている子にも、笑いながら読めます。先に日本語版(評論社)で筋をつかんでおくと、英語でも読み進めやすくなります。
あらすじ・対象の目安を見る小3〜6年生向け。見習い魔女のキキが、知らない町コリコで、ひとりで仕事を始める物語です。空を飛ぶこと以外に特別な力はなく、自分の工夫と人とのつながりで仕事を続けていく姿は、新しいクラスや習いごとに通いはじめた子の心細さと重なります。章ごとに一つの「お届けもの」の話になっているので、新学期のあわただしい時期でも少しずつ読み進められます。
あらすじ・対象の目安を見る小4〜中学生向けの英語の本。オギー、姉のヴィア、サマー、ジャックと語り手が交代し、同じ学校でのできごとが立場によってどう見えていたかが明かされていきます。新しいクラスで、まだよく知らない相手を見た目や第一印象で判断しそうになったときに、ふと思い出してほしい物語です。担任のブラウン先生の「格言」をまねて、自分の格言を考えてみるのも楽しい読み方です。
あらすじ・対象の目安を見る小3〜中学生向けの英語の本。学校で目立ちたいのにうまくいかないグレッグの日記は、9月から月ごとに区切られていて、学年のはじまりから一年を追う形で読めます。何でも自分に都合よく書くグレッグに「それはあなたが悪いよ」とつっこみながら読むうちに、新学期の緊張も少しほぐれるはず。日本語版『グレッグのダメ日記』と読みくらべるのもおすすめです。
あらすじ・対象の目安を見る小5〜中学生向け。周りに合わせることをしない、とがったピッチャーの巧と、そのボールをまっすぐ受けとめようとするキャッチャーの豪。性格が正反対のふたりが、キャッチボールを通して少しずつ信頼を育てていきます。部活やチームで新しい仲間と組むことになった子、自分のこだわりが周りとぶつかりがちな子に。野球のルールを知らなくても読めます。
あらすじ・対象の目安を見る小6〜中学生向け。性格も学校での立ち位置もばらばらな4人が、真夜中に屋根にのぼるという秘密の遊びを通してつながっていく物語です。それぞれが抱えるひとりぼっちの形が少しずつちがうところが細やかで、進級してクラスに居場所を見つけられずにいる子の心に届きます。170ページほどと長すぎません。屋根にのぼる遊びはまねしないよう、一言そえてあげてください。
あらすじ・対象の目安を見る
新しい環境の話は、読んだあとに子どもが自分のことを話しはじめるきっかけになりやすい本です。各本のページの「読んだあとに話したいこと」には、登場人物の気持ちを考える問いを載せています。「学校どうだった?」と聞くより、本の話から入るほうが、子どもは話しやすいかもしれません。
いじめや不登校など、つらい場面を含む本もあります。各本のページの「おうちの方へ」の欄で、どんな場面があるかを先に確かめてから手渡してください。








