文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/03
どんなお話?(ネタバレなし)
13歳のサラマンカ・ツリー・ヒドル(サル)は、ケンタッキーの農場から、父と一緒にオハイオの町に引っ越してきたばかり。ある日、何も言わずに家を出ていった母に会うため、祖父母の車でアイダホ州まで旅をすることになります。母の誕生日までにたどり着きたいと、サルは祈るような気持ちでいます。
長いドライブのあいだ、サルは祖父母に、引っ越し先で出会った友だちフィービーの話を語りはじめます。フィービーの母親もまた、突然いなくなってしまったのです。玄関に置かれるなぞのメッセージ、正体のわからない若い男……。ふたつの物語が重なり合いながら、サルの旅は続きます。
こんな子におすすめ
友だちの話をしているうちに、いつのまにか自分の本当の気持ちに気づいてしまう。そんな経験がある子に。親との別れという重いテーマを、ユーモアたっぷりの祖父母とのドライブ旅行が包みこんでいます。少しずつ明らかになる真実を、じっくり味わえる中学生におすすめです。
読みどころ
- サルが語るフィービーのなぞのメッセージ事件は、ちょっとしたミステリー。こっけいなフィービーの話が、じつはサル自身の物語を映す鏡になっています。
- 型破りな祖父母とのドライブは、けんかあり笑いありの珍道中。ふたりの仲のよいかけ合いが、重くなりがちな物語に温かさを与えています。
- サルの語りには、最初から言えないことが少しずつにじんでいます。読み終えてから最初のページにもどると、まったくちがう景色が見えてきます。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
サルと祖父母は、バッドランズやラシュモア山などに立ち寄りながら西へ進みます。そのあいだにサルが語るフィービーの物語も、少しずつ真相に近づいていきます。
フィービーの母はやがて帰ってきます。家を出たのは、結婚する前に産んで手放した息子に会うためで、なぞの若い男こそ、その息子でした。
サルがずっと嫌っていた父の友人カダバーさんは、じつはサルの母が乗っていたバスの事故で、となりの席に座っていた人でした。
旅の途中でヘビにかまれた祖母は、アイダホの町で倒れて病院に運ばれます。祖父から車の鍵をわたされたサルは、ひとりで夜どおし運転して、事故の現場をめざします。そこでサルは、心の奥ではずっとわかっていた事実と向き合います。母はバスの事故で亡くなり、この地に葬られていたのです。母が家を出たのは、死産した赤ちゃんのことで深く傷ついていたからでした。
母の墓の前で、サルは母がもう帰ってこないことを受け入れます。病院へもどったサルを待っていたのは、祖母がその夜のうちに亡くなったという知らせでした。ケンタッキーの農場にもどったサルは、祖父や父、友だちとともに、悲しみを抱えながらも前に進んでいきます。
読んだあとに話したいこと
- フィービーの話は、サルの気持ちとどんなところが似ていたと思う?
- サルはなぜ、母のことを最後まで口にできなかったのだろう?
- だれかのことを決めつける前に、その人の立場になって考えたことはある?
おうちの方へ
語彙は英検2級程度。サルの旅と、サルが語るフィービーの物語、過去の回想が入れ子になっているので、いつの話かを意識しながら読むとわかりやすくなります。母親の死、死産、祖母の死がえがかれ、涙なしには読めない場面も。1995年ニューベリー賞受賞作です。
次に読むなら
同じ作者の Absolutely Normal Chaos は、サルの友だちメアリー・ルーが主人公の、もっと軽やかな日記形式の物語です。大切な人を失う悲しみをえがく Bridge to Terabithia(『テラビシアにかける橋』)、なぞ解きの楽しさを味わうなら The Westing Game もどうぞ。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら

Bridge to Terabithia
Katherine Paterson
「友情」「泣ける」のお話・同じくらいの長さ

The Westing Game
Ellen Raskin
同じくらいの長さ

The Outsiders
S. E. Hinton
「友情」「家族」のお話・同じくらいの長さ

Anne of Green Gables
L. M. Montgomery
「家族」「友情」のお話・同じくらいの長さ

Wonder
R. J. Palacio
「友情」「家族」のお話・同じくらいの長さ
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。
