文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/03
どんなお話?(ネタバレなし)
中学入学をひかえた春休み、原田巧は父の転勤で、岡山県の山あいの町に引っ越してきます。巧はピッチャー。自分の球に絶対の自信をもち、野球のためならだれにもこびない、とがった少年です。
新しい町で巧の前にあらわれたのは、同い年のキャッチャー、永倉豪。豪は巧の速球を受けてみたいと願い、ふたりはバッテリーを組むことになります。体の弱い弟・青波、元高校野球の名監督だった祖父、巧の野球に反対する母。家族とのぶつかりあいのなかで、巧の新しい季節がはじまります。
こんな子におすすめ
スポーツに打ちこんでいて、自分の力に自信とこだわりを持っている子に。チームのなかで周りとぶつかりがちな子や、きょうだいとの関係に複雑な思いを抱えている子なら、巧の不器用さが他人ごとではなく感じられるはずです。試合の勝ち負けより、人の気持ちの動きを追う物語が読みたい子に向いています。
読みどころ
- 主人公の巧は、周りに合わせることをしない、とがった少年として描かれます。好感を持ちにくい主人公の心の内側を、物語がどう見せていくかがこのシリーズの読みどころです。
- キャッチャーの豪は、巧とは対照的におおらかで、まっすぐに巧の球を受けとめようとします。ふたりのキャッチボールの場面には、ことばより先に信頼が生まれていく手ざわりがあります。
- 野球に反対する母、元名監督の祖父、体の弱い弟の青波と、家族それぞれの立場から巧への思いが描かれます。スポーツ小説であると同時に、一家の物語としても読めます。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
巧は豪とキャッチボールをはじめ、自分の全力の球をしっかり受けとめる豪の力を認めていきます。けれど巧は、自分の才能を信じるあまり、家族にもすなおになれません。野球にあこがれる病弱な弟の青波を、巧はおまえには無理だと突きはなし、腹立ちまぎれにボールを神社の裏の森へ投げこんでしまいます。
その夕方、青波が家に帰ってきません。ボールをさがしに森へ入り、迷子になってしまったのです。巧は暗くなった森を必死にさがし、池のほとりでようやく青波を見つけだします。弟の無事をたしかめた巧は、自分でもおさえきれないほどの涙を流します。
その後、巧は、野球は自分ひとりの力だけでするものではないこと、自分の球を受けとめてくれる相手や仲間がいることの意味を、少しずつ考えはじめます。中学校の入学を目前にして、巧と豪のバッテリーとしての物語がここから動きだすところで、1巻は幕を閉じます。
読んだあとに話したいこと
- 巧のことを、好きだと思った? それとも苦手だと思った?
- 豪はどうして、巧とバッテリーを組みたいと思ったんだと思う?
- 青波にとって、お兄ちゃんの巧はどんな存在だと思う?
- 自分の力に自信を持つことと、まわりを見下すことは、どこがちがうと思う?
おうちの方へ
全6巻のシリーズの1巻目。野球の試合より、少年の心の揺れや家族との葛藤が中心の物語です。主人公の巧は反抗的でとがった性格なので、共感しにくいと感じる子もいますが、そこが読みどころです。野球のルールを知らなくても読めます。ひとり読みは小学5年生から中学生くらいが目安。
次に読むなら
続きの『バッテリーII』からは、中学校の野球部に入った巧と豪が、大人や上級生との関わりのなかで揺れていきます。少年たちの友情を描く点では『ぼくらの七日間戦争』とも共通しますが、こちらは笑いより心の揺れにじっくり寄りそう作風。思春期の心を描いた物語では『宇宙のみなしご』、少年たちが死と向き合うひと夏の物語『夏の庭 The Friends』も次に読みたい作品です。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら
この本が入っている特集
この本を紹介している記事
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





