「読める長さ」で考える本のステップアップ|L1〜L4の目安
文:ブックリンカー編集部 / 公開:2026/09/28
X でシェア子どもの本選びでは、「何年生向けか」と同じくらい「どのくらいの長さか」が大切です。内容がぴったりでも、いまの読む体力に対して長すぎる本は、途中で閉じられてしまいがちです。反対に、長さがちょうどいい本は、少しむずかしい内容でも最後まで読み通せることがあります。
ブックリンカーでは、本ごとに本文のおおよその量を「ボリューム」としてL1〜L4の4段階で示しています。この記事では、その区分の考え方と、段階ごとの本の例、次の段階に進むタイミングの見きわめ方をまとめました。
ボリューム区分L1〜L4の考え方
当サイトのボリュームは、日本語の本は文字数、英語の本は語数で区切っています。英語は1語が日本語の数文字分にあたるので、同じ段階でも数字の大きさがちがいます。
文字数や語数はどの書誌データにも載っていないため、ページ数や本の判型などから編集部が推定した値です。実際の本とは差がある場合があるので、「だいたいこのくらい」という目安として使ってください。また、同じ文字数でも、絵の多い本とびっしり字が並ぶ本では読みやすさがちがいます。ボリュームはあくまで「量」の目安で、「むずかしさ」は各本の「おうちの方へ」もあわせて見てください。
- L1 はじめて:日本語 〜3,000字/英語 〜500語
- L2 すこし長め:日本語 〜1万字/英語 〜3,000語
- L3 読みごたえ:日本語 〜3万字/英語 〜1.5万語
- L4 長編:日本語 3万字〜/英語 1.5万語〜
L1 はじめて:1回で読み切れる絵本
L1は、読み聞かせなら1回で最後まで読める長さの本です。『いないいないばあ』のような赤ちゃん絵本から、『ぐりとぐら』『からすのパンやさん』のようにしっかりした筋のある絵本までがこの段階に入ります。当サイトの推定では、『ぐりとぐら』は約1,500字、『からすのパンやさん』は約2,500字です。
注意したいのは、L1だからといって「小さい子向け」とは限らないことです。『100万回生きたねこ』は推定約2,500字のL1ですが、死と愛することを正面から描いた絵本で、対象は未就学から小学6年生までと幅広くしています。短い本ほど、ことば一つひとつの重みが大きいこともあります。
英語の本では、『Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?』や『The Very Hungry Caterpillar』がL1の代表です。同じ文の形がくり返されるので、英語がはじめての子でもすぐに一緒に言えるようになります。
L2 すこし長め:短いお話の集まりと長めの絵本
L2は、日本語で1万字、英語で3,000語までの本です。ひとり読みをはじめたばかりの子にとっては、「一冊を読み切った」という自信を持てるかどうかの分かれ目になる段階でもあります。
この段階でおすすめなのは、短いお話がいくつか入った本です。『ふたりはともだち』は5つのおはなしが入っていて、推定約5,000字あっても1話ずつなら無理なく読めます。絵が多い『かいけつゾロリのドラゴンたいじ』は推定約8,000字ですが、だじゃれや迷路に助けられて、読むのが苦手な子でも最後までたどりつきやすい本です。
一方、『おしいれのぼうけん』は80ページほどある長めの絵本で、1つの物語が続きます。読み聞かせなら2〜3回に分けてもかまいません。同じL2でも、「短いお話の集まり」と「長い1つの物語」では、子どもにかかる負担がちがうことを覚えておくと選びやすくなります。英語では『Frog and Toad Are Friends』や『Green Eggs and Ham』がこの段階です。
L3 読みごたえ:章のある物語に入る
L3は、日本語で3万字、英語で1.5万語までの本です。絵本から読みものへ移る段階で、多くの本が章に分かれています。1日で読み切るより、何日かかけて読み進めるのがふつうになってきます。
『エルマーのぼうけん』は推定約1万6,000字で、りゅうを助けに行く旅が続きます。持ちものがどこで役に立つかを予想しながら読むと、長さを忘れて先へ進めます。『車のいろは空のいろ 白いぼうし』は推定約2万5,000字ありますが、1話15分ほどの短編集なので、L3に入ったばかりの子にもすすめやすい一冊です。
英語では、10章に分かれた『Dinosaurs Before Dark』(Magic Tree House の1巻目)が、絵本の次のステップの定番です。まんが形式の『Dog Man』もL3ですが、絵で話を追えるので、長い英文が苦手な子の入り口になります。
L4 長編:同じ段階の中にも大きな幅がある
L4は、日本語で3万字以上、英語で1.5万語以上の本です。上限がないので、同じL4でも長さには大きな開きがあります。当サイトの推定では、『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』は約3万5,000字、『魔女の宅急便』は約9万字、『かがみの孤城』は約30万字です。L4に入ったら、その中でさらに段階を分けて考えるのがおすすめです。
最初のL4には、1話ずつ区切りのある本が向いています。『銭天堂』は1話20〜25ページほどの短編で、『ぼくは王さま』も1話ずつ区切って読めます。次に、章ごとにひとつのエピソードが完結する『魔女の宅急便』のような本。そのあとに、1冊を通して謎や伏線が続く長編へ、と進むと無理がありません。
- L4の入り口:1話完結の短編が集まった本(銭天堂、ぼくは王さま)
- L4のまん中:章ごとにエピソードが区切れる長編(魔女の宅急便)
- L4の奥:1冊を通して伏線が続く長い物語(ハリー・ポッターと賢者の石、かがみの孤城)
次の段階に進むサイン
次の段階に進むかどうかは、年齢よりも、いまの本をどう読んでいるかで判断するのが確実です。次のような様子が見られたら、1段階上の本を「こんなのもあるよ」と置いてみるタイミングです。
- いまの段階の本を、声をかけなくても自分から最後まで読んでいる
- 同じ本を何度も読み返し、話の筋やせりふを覚えている
- 「続きはないの?」「もっと長いのがいい」と言う
- 読み聞かせのとき、少し長いお話でも最後まで集中して聞けている
- 読んだ本の内容を、自分のことばで話してくれる
無理させないステップアップのコツ
段階を上げるときは、一度に1段階までにとどめましょう。L1の絵本を読んでいる子に、いきなりL4の長編を渡すと、中身は面白くても量に圧倒されてしまいます。上の段階の本と、いまの段階の本を並べて置き、子どもが自分で選べるようにしておくと、背のびしすぎる心配が減ります。
新しい段階の最初の一冊は、読み聞かせで始めるのもよい方法です。はじめの数章を親が読み、面白くなってきたところで「続きは自分で読んでみる?」と手渡すと、長さへの不安がやわらぎます。また、段階を行ったり来たりするのはまったく問題ありません。L4を読める子がL1の絵本を楽しむのは、後退ではなく読書の幅が広い証拠です。
英語の本は、日本語の本より1〜2段階下から始めるのが目安です。日本語でL4を読める子でも、英語ではL1〜L2の本から入ると、「わかる」「読めた」という手ごたえを感じやすくなります。
よくある質問
- Q. ボリュームの文字数は正確な数字ですか?
- A. いいえ、推定値です。文字数や語数はどの書誌データにも載っていないため、ページ数や判型などから編集部が見積もっています。実際の本と差があることもあるので、段階の目安として使ってください。
- Q. L4の本をなかなか読み切れません。L3に戻したほうがいいですか?
- A. L4の中でも長さの幅が大きいので、まずはL4の中で短めの本、特に1話ずつ区切りのある短編集を試してみてください。それでも疲れてしまうなら、L3に戻しても大丈夫です。読み聞かせと組み合わせるのもおすすめです。
- Q. 学年とボリュームのどちらを優先すればいいですか?
- A. まずは学年で内容が合っているかを見て、その中からいまの読む体力に合うボリュームの本を選ぶのがおすすめです。当サイトの本の一覧では、学年とボリュームの両方でしぼりこめます。


















