文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/03
どんなお話?(ネタバレなし)
ミドリ市花山町の花山第二小学校、六年一組に通う三人の男の子。チビで足が速く、思いつきで突っ走るハチベエこと八谷良平。めがねをかけた物知りで、ちょっと気が弱いハカセこと山中正太郎。体が大きくてのんびりや、食べることが大好きなモーちゃんこと奥田三吉。
この三人がそろうと、なぜかいつも事件が起こり、そして最後はたいてい、ずっこけます。
トイレで本を読んでいたハカセの家にどろぼうが入った日のこと、万引きの現場を見てしまったモーちゃんのこと、クラスの女子をこわがらせようとした怪談のこと。シリーズ第1作は、三人の個性がぎゅっとつまった短編集です。
こんな子におすすめ
いたずらや悪だくみが好きで、でも最後はたいてい失敗してしまう、そんな男の子たちの話にげらげら笑いたい小学3〜5年生に。三人のうちのだれかに自分や友だちを重ねられるのが、このシリーズの強みです。大人の目が届かないところで子どもだけが動く話なので、冒険の自由さにあこがれる時期の子にぴったりです。
読みどころ
- ハチベエ、ハカセ、モーちゃんの性格が、短い話ごとに順に立ちあがってくる構成。シリーズ全体の入口として、三人を知るのにこれ以上の巻はありません。
- どろぼう、万引き、池に浮かぶ死体、防空壕。子どもの冒険ものにしては本物の危うさが混ざっていて、それが絵空事ではないひりひりした読み味を生んでいます。
- 笑い話で終わるかと思いきや、「立石山城探検記」は防空壕を通して戦争の記憶に静かにふれ、読後にしんとした余韻を残します。1978年の作品であることも、ここで思い出させます。
ここから先は物語の結末に触れています。読み終わった人や、読み聞かせの前に内容を確かめたい保護者の方向けです。
「三人組登場」では、トイレで読書中のハカセの家にどろぼうが入り、ハカセは外に助けを求めようとします。たまたま通りかかったハチベエとモーちゃんが巻きこまれ、どたばたの末にどろぼうさわぎは決着します。「花山駅の決闘」では、万引きを目撃したモーちゃんが、逆に相手の女の子にひっぱたかれてしまい、仕返しをしようとハチベエが二人を引き連れて乗りこみますが、思惑どおりには進みません。
「怪談ヤナギ池」では、クラスの女子に怪談をばかにされたハチベエが、にせもののおばけをこしらえて彼女たちを池に呼び出します。ところが池に浮かびあがったのは本物の人間で、いたずらは思いもよらない大ごとになります。
「立石山城探検記」は、夏休みの自由研究で貝塚を訪れた三人と女子二人の話。たいくつしたハチベエがひとりで宝さがしに出かけ、足をすべらせて落ちた穴は、戦争中に掘られた防空壕でした。三人はそこで、昔この町で起きたことの名残にふれることになります。「ゆめのゴールデンクイズ」では、お姉さんに勝手に応募されたクイズ番組に出ることになったモーちゃんのために、ハチベエとハカセがカンニングの作戦を練りますが、これもまた、ずっこけた結末が待っています。
読んだあとに話したいこと
- ハチベエ、ハカセ、モーちゃんの中で、自分にいちばん近いのはだれ? 友だちにいそうなのは?
- 怪談で女子をおどかす作戦、どこまでならやってよくて、どこからがやりすぎだと思う?
- ハチベエが落ちた防空壕って、どんな場所だったんだろう。おうちの人に聞いてみよう。
おうちの方へ
一話ごとに完結した短編集なので、長い本が苦手な子でも区切りがつけやすい構成です。ひとり読みは小学3・4年生から。怪談の章で本物の死体が出てくる場面と、防空壕で戦争の影にふれる章があるので、こわがりの子には先に伝えておくと安心です。シリーズは全50巻あります。
次に読むなら
気に入ったら『ぼくらはズッコケ探偵団』など、表紙で気になった巻へ進んでかまいません。三人の子どもが町で事件にぶつかる読みものとしては、黒ねこの目から東京の町を描いた『ルドルフとイッパイアッテナ』が同じ年ごろの定番。もう少し大きくなったら、子どもたちが大人に本気でいどむ『ぼくらの七日間戦争』が、ズッコケ好きの次の一冊として長く読まれています。
読んだ人の感想
読みこみ中…
この本が好きなら
あらすじなどの文章は AI(Claude)が書いたもので、登場人物や出来事、結末などが実際の本と一部異なる可能性があります。対象の目安・ボリュームもブックリンカー編集部による目安です。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。書誌情報は openBD・国立国会図書館サーチ・Open Library・版元ドットコムを参照しています。





