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ルドルフとイッパイアッテナ シリーズ

既刊5巻(2026年10月時点)(刊行中) 2026年7月に出た外伝『おれのなまえはイッパイアッテナ』は本編の数に入れていません。シリーズの完結は発表されていません

作:斉藤洋

文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/17

「ルドルフとイッパイアッテナ」は、斉藤洋が書き、杉浦範茂が絵をつけた講談社の児童文学シリーズです。第1作は講談社児童文学新人賞の入選作で、1987年に刊行されました。続く『ルドルフともだちひとりだち』は野間児童文芸新人賞、第4作の『ルドルフとスノーホワイト』は野間児童文芸賞を受けています。NHKの「てれび絵本」で放送され、2016年には第1作と第2作をもとにした劇場アニメも公開されました。

物語は、岐阜でリエちゃんという女の子に飼われていた黒ねこのルドルフが、魚屋に追われて長距離トラックの荷台にとびこみ、東京まで運ばれてしまうところから始まります。途方にくれるルドルフの前にあらわれたのが、体の大きなトラねこのイッパイアッテナ。人によって呼び名がちがうので「名前はいっぱいあってな」と名乗る、このあたりのボスのようなのらねこで、じつは人間の字が読めるのです。

ルドルフはイッパイアッテナから、のらねことして生きる知恵と、字の読み書きを教わっていきます。金物屋のねこブッチーとの友情、こわいブルドッグのデビルとの対決、そして岐阜へ帰りたいという思い。ルドルフの「おれ」という語りで進む文章はテンポがよく、ねこの目から見た町のようすや、「教養」についてのイッパイアッテナのことばが、読む子の心に残ります。

第2作以降は、ルドルフが岐阜へ帰る旅、江戸川の向こうの市川からやってくるねこたちとの一件、ブッチーの子ねこの行方さがし、字を習いはじめたブッチーの旅と、話が少しずつ広がっていきます。2026年には、イッパイアッテナがルドルフと出会うまでを自分で語る外伝も出ました。

読む順番のコツ

前の巻のできごとを受けて次の巻が始まるので、刊行順に読むのがおすすめです。とくに第2作『ルドルフともだちひとりだち』は第1作の結末から直接つづく話なので、必ず第1作のあとに読んでください。第3作以降はそれぞれに事件がありますが、登場するねこたちの関係が巻ごとに変わっていくので、やはり順番どおりが楽しめます。外伝『おれのなまえはイッパイアッテナ』は、第1作を読んでイッパイアッテナの過去が気になった子が手に取ると、いっそう味わい深くなります。

こんな子に

ひとり読みは小学3〜5年生が目安。章ごとに区切りがあるので、低学年への読み聞かせにも向きます。ねこが好きな子、字を覚えることの楽しさを知りはじめた子、長い本を1冊読みきってみたい子に。

読む順番

刊行順。本編5巻と外伝1冊

  1. 1
    『ルドルフとイッパイアッテナ』の表紙
    ルドルフとイッパイアッテナ

    1987年。ルドルフが東京でイッパイアッテナと出会う

    小2〜小5長編
    あらすじを読む →
  2. 2

    ルドルフともだちひとりだち

    1988年。第1作の続き。ルドルフ、ひとりで岐阜をめざす

  3. 3

    ルドルフといくねこくるねこ

    2002年。市川からやってきたドラゴン兄弟との一件

  4. 4

    ルドルフとスノーホワイト

    2012年。行方不明になったブッチーの子ねこをさがす

  5. 5

    ルドルフとノラねこブッチー

    2020年。ブッチーが字を習いはじめる

  6. 6

    おれのなまえはイッパイアッテナ ルドルフとイッパイアッテナ外伝

    2026年。イッパイアッテナがルドルフと出会うまでを語る外伝

当サイトで紹介している巻は、タイトルからあらすじ・対象の目安のページに移れます。ほかの巻も紹介してほしいときは本のリクエストへ。

読み終えたら、次の1冊

  • 魔女の宅急便(シリーズ)

    ふるさとをはなれ、知らない町で自分の居場所を見つけていくルドルフに心を動かされた子に。13歳の魔女キキが、黒猫のジジと海辺の町で宅急便の仕事を始めます。1章ごとにひとつのお届けものの話なので、ルドルフと同じくらいの長さを区切りながら読めます。

  • 『二分間の冒険』の表紙
    二分間の冒険

    ことばを話す黒ねことの出会いにわくわくした子に。6年生の悟が、ダレカと名のる黒ネコにふしぎな世界へ連れていかれ、仲間と竜に立ち向かいます。260ページほどでルドルフと同じくらいの長さに、謎ときの要素が加わった、小学4年生ごろからの次の一冊です。

  • 白狐魔記 源平の風

    同じ斉藤洋の、もう一段長い物語に進みたい子に。人間を知りたいと仙人のもとで修行した白いきつねが、源平の戦いを間近で見つめるシリーズの1冊目です。動物の目から人間を見る面白さはルドルフと同じですが、歴史の場面が続き文章量も多いので、高学年向けです。

よくある質問

Q. 何年生から読めますか?
第1作は270ページほどありますが、ルドルフの「おれ」という語りはテンポがよく、1章も短いので、ひとり読みは小学3年生ごろからが目安です。1・2年生なら、毎晩1〜2章ずつの読み聞かせがおすすめ。読み聞かせで始めて、続きが気になって自分で読みはじめる子も多い本です。
Q. 途中の巻から読んでも大丈夫ですか?
刊行順に読むのがおすすめです。とくに第2作『ルドルフともだちひとりだち』は第1作の結末から直接つづくので、必ず第1作のあとに。第3作以降もねこたちの関係が巻ごとに変わっていきます。2026年の外伝は、イッパイアッテナがルドルフと出会うまでの話なので、少なくとも第1作を読んでからのほうが味わえます。
Q. 全部で何巻ありますか?
本編は1987年の『ルドルフとイッパイアッテナ』から2020年の『ルドルフとノラねこブッチー』までの5巻です。2026年7月には、シリーズ40周年に合わせて外伝『おれのなまえはイッパイアッテナ』が出ました。巻と巻のあいだが10年近くあくこともあるシリーズで、完結は発表されていません。
Q. 映画を見ましたが、本とはちがいますか?
2016年の劇場アニメは、第1作と第2作の2冊分を1本の映画にまとめています。そのぶん本では、イッパイアッテナがルドルフに字を教えていく場面や、ねこたちのやりとりがずっとくわしく描かれています。映画で結末を知っている子でも、本で読むと「教養」についての話がより心に残ります。続きの第3作以降は映画になっていません。
Q. こわい場面や悲しい場面はありますか?
第1作には、乱暴なブルドッグのデビルとの対決があり、けがをする場面もあります。また、岐阜に帰りたいというルドルフの思いには、せつない結末も待っています。どちらも血なまぐさい描写ではなく、友だちを思う気持ちや、つらいことを受けとめて前に進む強さとして描かれているので、小学校低学年でも読み聞かせで受けとめられる程度です。

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