ブックリンカー

日本語のシリーズ

インガルス一家の物語

Little House series

全9巻(完結) 原作の9作(『農場の少年』『はじめの四年間』をふくむ)。日本語訳は出版社ごとに区切りがちがい、岩波少年文庫「ローラ物語」5冊目の『わが家への道』(ローラの旅日記)などは数に入れていません

作:ローラ・インガルス・ワイルダー

文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/17

「インガルス一家の物語」は、アメリカの作家ローラ・インガルス・ワイルダーが、自分の子ども時代をもとに書いたシリーズです。1870年代から80年代、まだ開拓が進む途中だったアメリカ中西部で、父さん、母さん、姉のメアリイ、妹たちとともに暮らしたローラの日々が、幼いころから大人になるまで、何冊にもわたって描かれます。原書は1930年代から40年代に書かれ、テレビドラマ「大草原の小さな家」の原作としても知られています。

このシリーズのいちばんの魅力は、暮らしの細かな描写です。冬にそなえて肉を燻製にし、バターをつくり、丸太で家を建て、布を織って服を仕立てる。お店で買えるものがほとんどない時代に、家族が自分たちの手で生活のすべてを生みだしていく様子が、道具の使い方や料理の手順まで具体的に書かれています。父さんのバイオリン、クリスマスのささやかな贈りもの、はじめてもらう人形など、小さな喜びの場面が心に残ります。

一家は、森から大草原へ、川の土手の家へ、さらに西の湖のほとりへと移り住みます。巻が進むにつれてローラは成長し、前半の巻では幼い子どもの目で見た暮らしの楽しさが中心ですが、後半では吹雪や飢え、家計の苦しさ、学校で教える仕事、そして自分の将来といった、大人に近い悩みが描かれるようになります。一冊の分量も増えていくので、読む力の成長にあわせて進めるのに向いています。

読む前に知っておきたいのは、豚をつぶす場面や狩りの場面が出てくることと、『大草原の小さな家』などで、先住民(インディアン)が開拓者側から見た偏見をふくめて描かれていることです。書かれた時代の見方であることを、大人がひと言そえて手渡すと、歴史を考えるきっかけにもなります。

日本語訳は出版社によって書名や巻の区切りが異なります。福音館書店の「インガルス一家の物語」(恩地三保子訳)は全5冊で、その後の物語は岩波少年文庫の「ローラ物語」(谷口由美子訳)などで読めます。当サイトで紹介している『大きな森の小さな家』は福音館書店版です。

読む順番のコツ

ローラの成長を追うシリーズなので、『大きな森の小さな家』から順番に読むのがおすすめです。1冊ごとにひと区切りつくので、途中で間をあけても大丈夫です。『農場の少年』は、のちにローラの夫となるアルマンゾの少年時代を描いた別の家族の物語で、どの時点で読んでもかまいません。福音館書店版は5冊目まで、それ以降の巻は岩波少年文庫などの別の出版社の版で読みつぐことになります。

こんな子に

前半の巻は読み聞かせなら小学2・3年生から、ひとり読みは3・4年生くらいから。後半の巻は高学年〜中学生向け。昔の暮らしや料理、手づくりの道具に興味がある子に。

読む順番

1〜5冊目は福音館書店「インガルス一家の物語」(恩地三保子訳)の巻順と書名、6冊目以降は岩波少年文庫「ローラ物語」(谷口由美子訳)の書名です。原書の刊行順では『農場の少年』は2作目にあたります。講談社など他社の訳では書名が異なる場合があります。

  1. 1
    『大きな森の小さな家』の表紙
    大きな森の小さな家

    ウィスコンシンの森の丸太小屋での1年。福音館書店版1。

    小3〜小6長編
    あらすじを読む →
  2. 2
    『大草原の小さな家』の表紙
    大草原の小さな家

    一家は森を出て、西の大草原へ。福音館書店版2。

    小3〜小6長編
    あらすじを読む →
  3. 3

    プラム・クリークの土手で

    川の土手の家での暮らしと、ローラの学校生活の始まり。福音館書店版3。

  4. 4

    シルバー・レイクの岸辺で

    鉄道工事が進む西の土地へ移る。福音館書店版4。

  5. 5

    農場の少年

    ニューヨーク州の農場で育つ少年アルマンゾの物語。福音館書店版5。

  6. 6

    長い冬

    何か月も続く吹雪の冬を、町の人々と乗りきる。岩波少年文庫「ローラ物語」1。

  7. 7

    大草原の小さな町

    成長していく町と、少女になったローラ。岩波少年文庫「ローラ物語」2。

  8. 8

    この楽しき日々

    15歳から結婚するまでのローラの青春。岩波少年文庫「ローラ物語」3。

  9. 9

    はじめの四年間

    結婚後の4年間。作者の死後に見つかった原稿をもとにした作品。岩波少年文庫「ローラ物語」4。

当サイトで紹介している巻は、タイトルからあらすじ・対象の目安のページに移れます。ほかの巻も紹介してほしいときは本のリクエストへ。

読み終えたら、次の1冊

  • 赤毛のアン(シリーズ)

    19世紀のカナダの島で、孤児のアンが新しい家族と暮らしながら成長し、先生をめざすまでを描く物語です。ローラと同じく、少女の成長と季節ごとの暮らしの描写が魅力。日本語訳なら小学校高学年から読め、英語の原書に挑戦する道もあります。

  • 『十五少年漂流記』の表紙
    十五少年漂流記

    無人島に流れついた少年たちが、住まいを作り、食べものを手に入れ、2年近くを自分たちの力で生きぬく物語です。インガルス一家の手づくりの暮らしにわくわくした子なら夢中になれます。文章はかなり長く、高学年〜中学生向けの次の一歩です。

  • 『二十四の瞳』の表紙
    二十四の瞳

    瀬戸内海の島の分教場に赴任した若い女の先生と、12人の子どもたちの20年近くを描く物語です。時代の大きな流れの中で生きる家族や子どもの姿は、インガルス一家の後半の巻と通じます。戦争の悲しい場面もあるので、高学年〜中学生に。

よくある質問

Q. どの順番で読めばいいですか?
ローラの成長を追うシリーズなので、『大きな森の小さな家』から順番に読むのがおすすめです。ただし『農場の少年』は、のちにローラの夫になるアルマンゾの子ども時代を描いた別の家族の話なので、どこで読んでもかまいません。原書では2作目にあたりますが、福音館書店版では5冊目に置かれています。
Q. 何年生から読めますか?
『大きな森の小さな家』『大草原の小さな家』は、読み聞かせなら小学2・3年生、ひとり読みは3・4年生くらいから楽しめます。『長い冬』より後の巻は、ローラが10代になり、仕事や将来、家計の苦しさなど大人に近い悩みが中心になるので、高学年〜中学生になってから読むとよく味わえます。
Q. 全部で何冊?出版社による版のちがいは?
原作は『農場の少年』『はじめの四年間』をふくめて全9作です。日本語では、福音館書店の「インガルス一家の物語」(恩地三保子訳)が5冊目の『農場の少年』まで、その先は岩波少年文庫の「ローラ物語」(谷口由美子訳)などで読めます。出版社によって書名が少しちがうので、続きを買うときは書名をよく確かめてください。
Q. ドラマ「大草原の小さな家」とはちがいますか?
テレビドラマ「大草原の小さな家」はこのシリーズが原作ですが、ドラマにはオリジナルのエピソードや人物が多く、本とは別の物語と考えたほうがよいでしょう。本は、暮らしの手順や道具の使い方まで細かく描かれているのが魅力で、ドラマを見た子が読むと、ちがいを見つける楽しみもあります。
Q. こわい場面や気になる描写はありますか?
豚をつぶして保存食にする場面や、狩りの場面が出てきます。また、先住民が開拓者の側から見た偏見をふくめて描かれているところがあります。書かれた時代の見方であることを大人がひと言そえて手渡すと、昔の暮らしや歴史を考えるきっかけにもなります。

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