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日本語のシリーズ

車のいろは空のいろ

既刊4巻(2026年10月時点)(刊行中) ポプラ社の新装版(黒井健・絵)の冊数。2000年の北田卓史・絵の版や、ポプラポケット文庫版は別に数えていません

作:あまんきみこ

文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/17

「車のいろは空のいろ」は、あまんきみこが書いた短編童話のシリーズです。主人公は、空いろのタクシーを運転する松井五郎さん。やさしくて、少しとぼけたところのある松井さんの車には、ときどきふしぎなお客さんが乗ってきます。人間のすがたをしたきつねやくま、山ねこ、ちょうちょ、そしてこの世の人ではないかもしれない誰か。お客さんを乗せて走るうちに、タクシーはいつのまにか、ふだんの町とは少しずれた場所や時間に迷いこんでいきます。

1968年にポプラ社から最初の本が出版され、作者のデビュー作として日本児童文学者協会新人賞を受けました。なかでも「白いぼうし」は、小学4年生の国語教科書に長くのっているので、教室で出会った人も多いでしょう。2000年からは北田卓史の絵による『白いぼうし』『春のお客さん』『星のタクシー』の3冊で親しまれ、2022年に黒井健の絵による新装版が出たときに、新しいおはなしを集めた4冊目『ゆめでもいい』が加わりました。

このシリーズの魅力は、ふしぎなことが起きても、松井さんがそれを大げさにさわぎたてず、そっと受けとめるところにあります。ふしぎのきっかけは、夏みかんのにおいや、道ばたのぼうし、季節の風といった身近なもの。1話が短く、日常の続きにあるふしぎがおだやかに描かれるので、ファンタジーが苦手な子でも入りやすい作品です。読み終えたあとに、「あのお客さんは何だったんだろう」と誰かと話したくなる、余白の多いおはなしが並んでいます。

明るく楽しい話が多い一方で、戦争で家族を失った人の思いがにじむおはなしもいくつかあります。1巻に収められた「すずかけ通り三丁目」などは、静かで少し悲しい読後感を残します。こわがらせる書き方ではありませんが、読み聞かせのときは、子どもの反応を見ながら言葉をそえてあげるとよいでしょう。

読む順番のコツ

1冊にいくつかの短いおはなしが入っていて、どの話も1話で完結しているので、どの巻から、どの話から読んでもかまいません。教科書で「白いぼうし」を読んだ子なら、まず同じ話が入った1巻『白いぼうし』から始めると、松井さんにすぐなじめます。1話15分ほどで読めるので、寝る前の読み聞かせに1話ずつ、というのもおすすめです。

こんな子に

読み聞かせなら小学1・2年生から、ひとり読みは小学2〜4年生くらい。短いおはなしから本に親しみたい子、日常のなかのふしぎが好きな子に。

読む順番

ポプラ社の新装版(2022年、黒井健・絵)の巻順。1〜3巻は2000年に北田卓史の絵で出ていた3冊を新しい絵で出しなおしたもので、4冊目『ゆめでもいい』は新装版で加わった巻です。ポプラポケット文庫版などもあり、書名の表記が少しちがう場合があります。

  1. 1
    『車のいろは空のいろ 白いぼうし』の表紙
    車のいろは空のいろ 白いぼうし

    教科書でおなじみの「白いぼうし」を収めた1巻。

    小2〜小4読みごたえ
    あらすじを読む →
  2. 2

    車のいろは空のいろ 春のお客さん

  3. 3

    車のいろは空のいろ 星のタクシー

  4. 4

    車のいろは空のいろ ゆめでもいい

    2022年に刊行された4冊目。新しいおはなしを収める。

当サイトで紹介している巻は、タイトルからあらすじ・対象の目安のページに移れます。ほかの巻も紹介してほしいときは本のリクエストへ。

読み終えたら、次の1冊

  • ふしぎ駄菓子屋 銭天堂(シリーズ)

    ふしぎな駄菓子屋をめぐる1話完結のおはなしで、毎回ちがうお客さんが主人公になります。松井さんのタクシーに乗るお客さんの話が好きだった子なら、この形にすぐなじめます。少しこわい話や、教訓のあるオチもあるので、小学3年生以上で読む力がついてきた子に。

  • 『霧のむこうのふしぎな町』の表紙
    霧のむこうのふしぎな町

    霧の谷の奥にある、ふしぎな住人たちの町で、6年生の女の子がひと夏を過ごす長編です。日常から少しずれた場所に迷いこむ感覚は車のいろは空のいろと通じますが、1冊でひとつの物語を読みとおすので、短編から長編へ進む一歩になります。

  • ルドルフとイッパイアッテナ(シリーズ)

    迷子になった黒ねこルドルフが、東京の町でボスねこのイッパイアッテナに出会い、字を覚えながらたくましくなっていく物語です。動物が人間のように考えて話す世界が好きな子に。章ごとに区切って読めますが、1冊が長いので小学3年生ごろからの次の一冊に向いています。

よくある質問

Q. 教科書の「白いぼうし」はどの本に入っていますか?
小学4年生の国語の教科書にのっている「白いぼうし」は、1巻の『白いぼうし』に入っています。同じ巻には、松井さんが出会うほかのふしぎなお客さんの話も収められているので、授業で読んで「ほかの話も読みたい」と言いだしたら、まずこの1冊を渡すのがおすすめです。
Q. 何年生から読めますか?
ひとり読みは小学2〜4年生が目安で、読み聞かせなら1・2年生から楽しめます。1話が短く、15分ほどで読み終わるので、長い本はまだ苦手な子でも、寝る前に1話ずつ読み進められます。教科書で「白いぼうし」を習う4年生の前後に手渡すと、松井さんの世界にすっと入れます。
Q. 全部で何巻ありますか?
いま出ているポプラ社の新装版(黒井健・絵)は、『白いぼうし』『春のお客さん』『星のタクシー』『ゆめでもいい』の4巻です。4冊目は2022年に、新しいおはなしを集めて加わりました。このほかに文庫版(ポプラポケット文庫)なども出ていて、版によって書名の表記や絵がちがいます。
Q. 悲しい話やこわい話はありますか?
多くは、ふしぎだけれど心があたたまるおはなしです。ただ、戦争で家族を亡くした人の思いが描かれる「すずかけ通り三丁目」のように、静かで少し悲しい読後感の話もいくつかあります。こわがらせる書き方ではありませんが、読み聞かせのときは子どもの様子を見ながら、ひと言そえてあげると安心です。

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