英語のシリーズ
Anne of Green Gables series
赤毛のアン
全8巻(完結) アンの年齢順に並ぶ長編8作を数えています。アヴォンリーの人々を描く短編集 Chronicles of Avonlea と Further Chronicles of Avonlea(村岡訳『アンの友達』『アンをめぐる人々』)や、没後の2009年に出た The Blythes Are Quoted は数に入れていません
文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/17
Anne of Green Gables(赤毛のアン)は、カナダのプリンスエドワード島を舞台に、孤児のアン・シャーリーが年老いたきょうだいマシューとマリラに引き取られてからの日々を描いた物語です。1908年に出版され、作者L・M・モンゴメリはその後も続編を書きつぎました。少女時代から教師、大学生、そして結婚して母になるまでのアンの人生をたどる本と、アンの子どもたちの世代を中心にした本とで、シリーズが形づくられています。
順番には少し注意が必要です。4番目にあたる Anne of Windy Poplars(1936年)と6番目の Anne of Ingleside(1939年)は、ほかの巻よりずっとあとに書かれ、アンの年齢でいえばあいだにはさまる時期を描いています。そのため刊行順とアンの年齢順が一致しません。物語の流れを追いやすいように、このページではアンの年齢順に並べ、各巻に刊行年を添えています。
英語は100年以上前の北米の文章で、長くて凝った文や古い語彙が多く、当サイトの Anne of Green Gables は英検準1級〜1級レベルと、英語の本としてはむずかしめです。とくにアンのおしゃべりは大げさな言葉づかいが魅力なので、意味を追うだけでなく声に出して読むと楽しめます。はじめは日本語で物語を楽しみ、好きな場面を原書で読むという行き来の読み方がおすすめです。邦訳は村岡花子訳が長く親しまれてきたほか、ほかの訳者による全訳も出ています。朗読のオーディオブックも手に入りやすい作品です。
物語は想像力豊かな少女の失敗と成長がユーモアたっぷりに描かれますが、身近な人との別れや死を描く場面が出てくる巻もあります。後半の Rilla of Ingleside は第一次世界大戦の時代を舞台にしていて、戦争が家族に落とす影がはっきり描かれるので、読む年齢を考えて手渡してください。
読む順番のコツ
まずは1冊目の Anne of Green Gables だけでも、ひとつの物語として完結しています。続きを読むならアンの年齢順が自然です。邦訳と原書を行き来するときは、巻の番号ではなく書名で対応を確かめてください。Rainbow Valley 以降はアンの子どもたちが中心になるので、アン本人の物語を追いたい場合は Anne of Ingleside までで区切ってもかまいません。
こんな子に
日本語でなら小学校高学年から、原書は英語の長文に慣れた中学生以上が目安。空想好きでおしゃべりな子や、本の中で友だちと一緒に大きくなりたい子に。
読む順番
アンの年齢順。各巻の注に刊行年を入れています。邦題は村岡花子訳のもので、訳者によって題が異なります。このほか、没後の2009年に出た短編集 The Blythes Are Quoted などもあります。
- 1

- 2

- 3
Anne of the Island
1915年。大学生のアン。邦題『アンの愛情』
- 4
Anne of Windy Poplars
1936年。刊行はずっとあとだが、アンの年齢では『アンの愛情』と『アンの夢の家』のあいだの時期。邦題『アンの幸福』
- 5
Anne's House of Dreams
1917年。邦題『アンの夢の家』
- 6
Anne of Ingleside
1939年。刊行は遅いが、時期は『アンの夢の家』のあと。邦題『炉辺荘のアン』
- 7
Rainbow Valley
1919年。アンの子どもたちと牧師館の子どもたちが中心。邦題『虹の谷のアン』
- 8
Rilla of Ingleside
1921年。末娘リラと第一次世界大戦の時代。邦題『アンの娘リラ』
当サイトで紹介している巻は、タイトルからあらすじ・対象の目安のページに移れます。ほかの巻も紹介してほしいときは本のリクエストへ。
読み終えたら、次の1冊
- インガルス一家の物語(シリーズ)
アンが暮らした昔の北米の農村の空気が好きだった子に。開拓時代のローラ一家の季節ごとの仕事や学校が描かれ、ローラものちに先生になります。日本語で高学年から読め、原書の Little House も Anne よりずっと平易なので、英語に戻る足がかりにもなります。
西の魔女が死んだ自然の中のていねいな暮らしや、年上の家族と心を通わせる場面に惹かれた子に。学校に行けなくなった中学生のまいが、祖母と森の家で過ごすひと月の物語です。226ページと短めですが、生き方や死について静かに考えさせる、一段深い読書になります。
Walk Two Moonsおしゃべりで想像力ゆたかな語り手が好きな子に。13歳のサルが祖父母と車で旅をしながら、友だちの物語と自分の母の話を重ねていきます。語彙は英検2級程度で Anne より読みやすく、原書で長編を読み通す自信をつけるのに向いています。母親の死が描かれます。
To Kill a Mockingbird少女の目から大人の世界を見つめる物語をもっと読みたい子に。1930年代のアメリカ南部で、弁護士の父をもつスカウトが人種差別の裁判を見届けます。英検準1級〜1級と Anne と同じくらい手ごわく、差別や暴力も描かれるので、中学生以上の次の一冊に。
よくある質問
- Q. 原書は英語をどのくらい学んだ子向けですか?
- Anne of Green Gables は約10万語の長編で、100年以上前の長く凝った文と古い語彙が多く、英検準1級〜1級が目安です。英語を学んで3〜4年の中学生にはひとり読みはかなり大変なので、英語の本を何冊も読んできた高校生以上向けです。それより前なら、日本語で筋を知ってから、アンが夢中でしゃべる場面を選んで音読するのがおすすめです。
- Q. 日本語版の巻の番号がこのページと合わないのはなぜ?
- 村岡花子訳の新潮文庫は全10巻で、4巻『アンの友達』と8巻『アンをめぐる人々』が、アン本人が中心ではない短編集だからです。そのため『アンの幸福』が5巻、『アンの娘リラ』が10巻になります。続きを買うときは番号ではなく書名で確かめてください。全文訳と訳注つきで読みたい場合は、松本侑子訳の文春文庫(全8巻)もあります。
- Q. 日本語なら何年生から読めますか?
- 1冊目の『赤毛のアン』は小学校高学年から楽しめます。アンが11歳で物語が始まり、学校での失敗や親友ダイアナとのやりとりなど、同じ年ごろの子が共感しやすい場面が続きます。2冊目以降はアンが先生や大学生、母親になっていくので、中学生、高校生と年齢が上がるのに合わせて少しずつ手渡すと、アンと一緒に大きくなる読み方ができます。
- Q. アニメやドラマとはどうちがいますか?
- 1979年に放送された高畑勲監督のアニメ『赤毛のアン』は、1冊目だけを全50話かけて、原作にかなり忠実に描いています。カナダで制作されたドラマ『アンという名の少女』(Anne with an E)は、孤児院時代のつらい過去などを原作より深く掘りさげた独自の展開が多く、本とは別の作品として楽しむのがよいでしょう。
- Q. 悲しい場面はありますか?
- 1冊目の終わり近くに、アンを引き取ったマシューが亡くなる場面があり、多くの読者が涙するところです。最終巻の Rilla of Ingleside(『アンの娘リラ』)では第一次世界大戦でアンの息子たちが出征し、戦場から帰らない人も出ます。戦争の話がつらい子には、この巻は中学生以降にとっておくとよいでしょう。