英語のシリーズ
The Chronicles of Narnia
ナルニア国ものがたり
全7巻(完結) 1950年から1956年に出た全7巻。英語版は年代順の番号、岩波書店版は刊行順の番号がついていて、冊数はどちらも7冊です。
文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/17
The Chronicles of Narnia(ナルニア国ものがたり)は、イギリスの作家C・S・ルイスが1950年から1956年にかけて1年に1冊ずつ発表した全7巻のファンタジーです。こちらの世界の子どもたちが、洋服だんすや絵の額、駅のホームなどから魔法の国ナルニアへ入りこみ、ものを言う動物や偉大なライオンのアスランと出会います。巻ごとに主人公や時代が入れかわり、1冊ずつでも話がまとまっているのが特徴です。
いちばん迷いやすいのが巻の順番です。発表された順(刊行順)は The Lion, the Witch and the Wardrobe から始まりますが、作中の年代順に並べると、ナルニアのはじまりを描く The Magician's Nephew が最初、The Horse and His Boy が3番目にきます。1994年に米国でHarperCollinsが版権を得てから、英語版の多くは年代順の番号で出ていて、背表紙の「1」は The Magician's Nephew です。一方、日本の岩波書店版(瀬田貞二訳)は刊行順で、『ライオンと魔女』が1巻目です。英語版と日本語版で巻数がずれるので、買うときや図書館で借りるときは番号ではなく書名で確かめると安心です。
英語は20世紀半ばのイギリス英語で、語り手が読者にときどき話しかける、やわらかな語り口です。ただし古風な言い回しや英国の暮らしの言葉(食べ物、学校、寄宿生活など)が多く、1冊あたりの語数も長編の分量があります。当サイトの The Lion, the Witch and the Wardrobe は英検2級〜準1級程度の語彙が目安で、英語で最後まで読むなら中学生以上、ひとり読みがむずかしければ日本語版で物語を知ってから原書に戻る読み方も向いています。英語の朗読版(オーディオブック)も複数出ているので、耳から聞くのも一案です。
物語の背景にはキリスト教の考え方があり、アスランをめぐる場面は宗教的な象徴として読まれることがよくあります。知らなくても冒険物語として楽しめますが、高学年以上なら話題にしてみると読みが深まります。戦いの場面や登場人物が死ぬ場面、悲しくこわい場面もあります。また、南の国カロールメンの人々の描き方には、現在の目で見ると偏りが指摘されている部分があり、書かれた時代を踏まえて読むことをおすすめします。
読む順番のコツ
はじめての家族には刊行順をおすすめします。The Lion, the Witch and the Wardrobe で洋服だんすの向こうに出会う驚きは、先に世界のはじまりを知らないほうが大きく感じられるからです。ルイス自身は年代順でもよいと手紙に書いたとされ、2回目以降は年代順で読み直すと、物語どうしのつながりが見えてきます。どの巻もそれだけで完結していますが、最終巻 The Last Battle だけは、ほかの巻を読んでから手に取ってください。
こんな子に
日本語の読み聞かせなら小学校中学年から、原書のひとり読みは英語に慣れた小学校高学年〜中学生が目安。別世界へ出かける長編ファンタジーが好きな子に。
読む順番
刊行順(岩波書店の日本語版と同じ順)。各巻の注にある「年代順」の番号が、1994年以降の米HarperCollins版などの巻番号にあたります。
- 1
The Lion, the Witch and the Wardrobe1950年。刊行順の1作目(年代順・HarperCollins版では2)。邦題『ライオンと魔女』
小3〜小6長編Englishあらすじを読む → - 2

- 3
The Voyage of the Dawn Treader
1952年。年代順では5。邦題『朝びらき丸 東の海へ』
- 4
The Silver Chair
1953年。年代順では6。邦題『銀のいす』
- 5
The Horse and His Boy
1954年。年代順では3。ナルニアの南の国を舞台にした外伝的な一冊。邦題『馬と少年』
- 6
The Magician's Nephew
1955年。年代順では1。ナルニアのはじまりを描く。邦題『魔術師のおい』
- 7
The Last Battle
1956年。年代順でも7。シリーズの最後に読みたい巻。邦題『さいごの戦い』
当サイトで紹介している巻は、タイトルからあらすじ・対象の目安のページに移れます。ほかの巻も紹介してほしいときは本のリクエストへ。
読み終えたら、次の1冊
The Hobbitものを言う動物や魔法使いが出てくる、イギリスの古典ファンタジーをもっと読みたい子に。ルイスの友人トールキンが書いた物語で、1冊の長さはナルニアの2倍ほど。竜の宝をめざす長い旅を、昔話のような語り口で楽しめます。
- Time Quintet(A Wrinkle in Time から)(シリーズ)
子どもたちがこちらの世界から別の世界へ旅立ち、光と闇の戦いに加わる物語が好きだった子に。舞台は宇宙で、科学の考え方も出てきます。家族を救う冒険の背景に、ナルニアと同じくキリスト教の考え方がある作品です。
The Fellowship of the RingThe Hobbit まで読んで、もっと大きな物語に浸りたい中学生以上に。善と悪の戦いを壮大なスケールで描く『指輪物語』の第1部で、語数も語彙もナルニアよりぐっと増えます。英語がきつければ日本語版と行き来しながら読むのも一つの方法です。
よくある質問
- Q. 英語はどれくらい?何年英語を学んだ子向け?
- 1冊は推定3万〜5万語台で、ハリー・ポッター第1巻より短めです。ただし20世紀半ばのイギリス英語で、古風な言い回しや英国の暮らしの言葉が多く、英検2級〜準1級程度の語彙が目安になります。英語で読みきるなら中学生以上、まずは日本語版で物語を知ってからが安心です。
- Q. どの順番で読めばいい?英語版の巻数とちがうのは?
- はじめてなら刊行順に The Lion, the Witch and the Wardrobe から読むのがおすすめです。1994年以降の英語版の多くは作中の年代順に番号がついていて、背表紙の「1」は The Magician's Nephew です。日本の岩波書店版は刊行順なので、買うときは巻の番号ではなく書名で確かめてください。
- Q. 日本語版(邦訳)はどれがありますか?
- 長く読まれてきたのは岩波書店の瀬田貞二訳『ナルニア国ものがたり』で、『ライオンと魔女』が1巻目の刊行順です。ほかに光文社古典新訳文庫の土屋京子訳があり、こちらは『魔術師のおい』が1巻目の年代順です。角川文庫からも新訳が出ています。訳によって書名も少しずつちがいます。
- Q. 映画とのちがいは?どちらを先に?
- 映画は『ライオンと魔女』『カスピアン王子の角笛』『アスラン王と魔法の島』の3作で、原作の刊行順の最初の3冊にあたります。映画は戦いの場面を大きくふくらませていて、原作の語り手が読者に話しかける味わいはありません。本を先に読むと、映画との比べ読みも楽しめます。
- Q. 宗教的な内容やこわい場面は?
- ライオンのアスランをめぐる場面にはキリスト教の考え方が背景にありますが、知らなくても冒険物語として読めます。魔女の支配や戦い、登場人物が死ぬ場面もあり、最終巻 The Last Battle は世界の終わりを描くため、特に重い一冊です。ほかの巻を読んでから手に取ってください。