英語のシリーズ
Time Quintet
時の五部作
全5巻(完結) ポリー・オキーフが登場するレングルの別の作品群(The Arm of the Starfish など)は数に入れていません
文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/17
Time Quintet は、アメリカの作家マデレイン・レングルが1962年の A Wrinkle in Time から1989年の An Acceptable Time まで、四半世紀以上をかけて書いた5作の連作です。科学者の両親をもつマリー家の子どもたちが、時間や空間を越えて、宇宙に広がる悪や人の心をむしばむ力と向きあいます。1作目の A Wrinkle in Time はニューベリー賞を受けた作品で、2018年には映画化されました(邦題『リンクル・イン・タイム』)。
巻ごとに中心になる人物が入れかわるのがこのシリーズの特徴です。1作目と2作目の A Wind in the Door はメグ・マリーと弟のチャールズ・ウォレス、友だちのカルヴィンが中心。3作目の A Swiftly Tilting Planet では成長したチャールズ・ウォレスが歴史をさかのぼり、4作目の Many Waters ではふだん脇役のふたごの兄弟、サンディとデニスが聖書の大洪水の時代に迷いこみます。5作目の An Acceptable Time の主人公はメグとカルヴィンの娘ポリー・オキーフで、ポリーはレングルの別の作品群にも登場します。
当サイトの A Wrinkle in Time は英検準1級程度の語彙が目安です。文章自体は読みやすいものの、四次元・五次元といった科学的な考え方や抽象的な会話、聖書や古典からの引用が多く出てくるので、英語でも日本語でも高学年以上に向いています。日本語では『五次元世界のぼうけん』(あかね書房)などで1作目を読むことができます。続編の邦訳は書店で見つけにくいことがあるので、図書館で確かめてみてください。
物語の背景にはキリスト教の世界観があり、善と悪の戦いがはっきりした形で描かれます。家族が行方不明になる不安、心を支配されるこわさ、病気や死の危機などが出てくるほか、Many Waters には思春期の気持ちや誘惑をにおわせる場面もあり、後半の巻ほど大人向けの要素が増えます。
読む順番のコツ
刊行順に読むのがおすすめです。とくに1作目から3作目まではメグとチャールズ・ウォレスの物語として続いているので、順番どおりに。Many Waters は時期としては2作目と3作目のあいだの話ですが、刊行順どおり4作目に読んでも問題ありません。まず A Wrinkle in Time を読み、続きは子どもの興味と年齢に合わせてゆっくり手渡してください。
こんな子に
日本語なら小学校高学年から、原書は英語の長編に慣れた中学生以上が目安。科学や宇宙の話が好きな子、家族の絆を描く冒険物語を読みたい子に。
読む順番
刊行順。全5作です。
- 1

- 2

- 3
A Swiftly Tilting Planet
1978年。チャールズ・ウォレスが歴史をさかのぼる
- 4
Many Waters
1986年。ふたごのサンディとデニスが主役。時期は2作目と3作目のあいだ
- 5
An Acceptable Time
1989年。メグとカルヴィンの娘ポリーが主役
当サイトで紹介している巻は、タイトルからあらすじ・対象の目安のページに移れます。ほかの巻も紹介してほしいときは本のリクエストへ。
読み終えたら、次の1冊
- The Giver(シリーズ)
カマゾツのように、全員が同じであることを強いられる世界にぞっとした子に。争いも痛みもない町で、少年ジョーナスが町の隠してきたものを知っていきます。約4.3万語と A Wrinkle in Time と同じくらいの長さで、命の扱いを考えさせる重さがあるので中学生以上に。
モモ時間のふしぎや、目に見えない悪と子どもが向きあう物語が好きな子に。人々から時間を盗む灰色の男たちに、ひとりの少女が立ち向かいます。400ページを超える長編ですが、日本語でじっくり読めるので、原書がむずかしかった子にもすすめやすい一冊です。
The Fellowship of the Ring善と悪のはっきりした戦いと、仲間と旅をする冒険にひかれた子に。指輪を捨てる旅に出るホビットたちを描く『指輪物語』の1作目です。約19万語と4倍近い長さで、古風な英語と長い描写があるので、英語の長編を読み慣れた子の大きな次の一歩に。
よくある質問
- Q. 原書の英語はどのくらいのレベルですか?
- A Wrinkle in Time は約4.9万語で、語彙は英検準1級程度が目安です。文はそれほど長くありませんが、四次元・五次元の考え方や抽象的な会話がむずかしく、英語を4〜5年学んだ高校生向けです。2作目の A Wind in the Door には細胞やミトコンドリアなどの科学用語も出てきます。日本語版や映画で筋を知ってから原書を読むと、ぐっと読みやすくなります。
- Q. 日本語版はありますか?
- 1作目は『五次元世界のぼうけん』(あかね書房、渡辺茂男訳)で読めます。1982年にはサンリオから大瀧啓裕訳で『惑星カマゾツ』『エクトロスとの戦い』『時間をさかのぼって』として3作目まで訳されましたが、古い本なので図書館や古書でさがすことになります。Many Waters と An Acceptable Time は邦訳が見当たらないので、原書で読むことになります。
- Q. 映画『リンクル・イン・タイム』とのちがいは?
- 2018年の映画は1作目だけを描いています。メグのふたごの弟たちが登場しないなど人物や場面がかなり省かれ、原作の背景にあるキリスト教的な要素もうすめられています。本では、メグが自分の欠点を抱えたまま家族を救いに向かう心の動きや、ふしぎな3人の婦人たちとの会話がずっとていねいに書かれています。
- Q. 何年生から?1作目だけでも楽しめますか?
- 日本語なら小学校高学年、原書なら高校生ごろからが目安です。1作目は父親を救い出すところで物語に区切りがつくので、1冊だけでも十分楽しめます。2作目以降は抽象的な話が増え、Many Waters には思春期の気持ちや誘惑をにおわせる場面もあるので、続きは子どもの年齢に合わせて手渡してください。