ブックリンカー

英語のシリーズ

The Wild Robot

野生のロボット(福音館書店)

全3巻(完結) 物語の巻数。2025年に出た小さい子向けの絵本 The Wild Robot on the Island(第1巻を絵本にしたもの)は数えていません。2026年10月時点で、4巻目の発表はありません。

作:Peter Brown

文:ブックリンカー編集部 / 更新日:2026/10/17

The Wild Robot は、アメリカの絵本作家ピーター・ブラウンが文と絵を手がけた物語のシリーズです。嵐で船から投げ出された貨物のなかから、1体のロボットが無人島で目を覚まします。ロボットの名前はロズ。だれもいない島で、ロズは動物たちのくらしを観察しながら、生き延びるすべを身につけていきます。やがてロズは、親をなくしたガチョウのひなを育てることになり、ひなにブライトビル(Brightbill)と名づけます。

ロボットが自然のなかで「野生」になっていく、という発想がこの作品の魅力です。はじめはロズをこわがっていた動物たちが、少しずつロズを受け入れていく過程や、ひなとの親子のようなきずなが、静かな語り口で描かれます。季節がめぐる島の自然や、生きものの命のつながりも、物語のなかで自然に伝わってきます。

英語は平易で、1〜3ページほどの短い章が続き、作者自身の挿絵もたくさん入っています。全体では300ページ近くありますが、1章ずつ区切って読めるので、英語で長い物語を読む最初の1冊にも向いています。目安は英検準2級〜2級程度です。動物が命を落とす場面や、ロズがねらわれる場面もありますが、こわさは控えめです。

日本語版は福音館書店から前沢明枝さんの訳で全3巻が出ています。第1巻は2024年にドリームワークスによってアニメ映画化され、日本では『野生の島のロズ』の題で公開されました。映画を見てから原作を読んでみたい、という子にもおすすめです。

読む順番のコツ

3巻で一つの物語がつながっているので、The Wild Robot → The Wild Robot Escapes → The Wild Robot Protects の順に読んでください。2巻目では、島をはなれた農場が主な舞台になり、3巻目では海から押し寄せる「毒の潮」から島を守る話になります。映画は1巻目をもとにしていますが、筋には違いもあるので、映画を見た子も1巻目から読むのがおすすめです。日本語版(福音館書店)と並べて読む方法もあります。

こんな子に

小学校中学年〜中学生に。英語は英検準2級〜2級程度が目安で、短い章と挿絵があるので、英語の長編に初めて挑戦する子にも向いています。動物や自然が好きな子、ロボットが好きな子に。

読む順番

刊行順。物語のシリーズは全3巻です。このほかに、小さい子向けの絵本 The Wild Robot on the Island(2025年)があります。

  1. 1
    『The Wild Robot』の表紙
    The Wild Robot

    2016年。ロズが無人島で目覚める第1巻。日本語版『野生のロボット』

    小3〜小6長編English
    あらすじを読む →
  2. 2

    The Wild Robot Escapes

    2018年。日本語版『帰れ 野生のロボット』

  3. 3

    The Wild Robot Protects

    2023年。日本語版『守れ 野生のロボット』

当サイトで紹介している巻は、タイトルからあらすじ・対象の目安のページに移れます。ほかの巻も紹介してほしいときは本のリクエストへ。

読み終えたら、次の1冊

  • 『The One and Only Ivan』の表紙
    The One and Only Ivan

    ロボットのロズの目で語られる物語が好きだった子に。ショッピングモールのおりで暮らすゴリラのイバンが、自分の言葉で語ります。1ページほどの短い章が続き、語数も約2万6千語とほぼ同じなので、次の1冊として読みやすく、動物と人間の関係を考えるきっかけにもなります。

  • 『Charlotte's Web』の表紙
    Charlotte's Web

    動物たちのきずなや、命のめぐりを描く話が好きな子に。子ブタのウィルバーとクモのシャーロットの友情を、農場の四季とともに描いた名作です。約3万2千語とほぼ同じ長さですが、言い回しが少し古風になるので、英語の物語の幅を広げる1冊になります。

  • 『Hatchet』の表紙
    Hatchet

    ロズが島で生き延びるすべを身につけていく場面が好きだった子に。飛行機の事故でカナダの森にひとり残された13歳のブライアンが、手斧ひとつで生き抜きます。約4万2千語で、自然の厳しさの描写もより本格的になるので、高学年〜中学生の次の一歩に。

  • Wings of Fire(シリーズ)

    動物たちが主人公の、もっと長い冒険に進みたい子に。ドラゴンの子どもたちが運命に立ち向かうファンタジーで、巻ごとに語り手が変わります。第1巻は約7万語と2倍以上になりますが、仲間との友情や命をめぐる選択など、ロズの物語に通じるテーマがあります。

よくある質問

Q. 英語はどのくらいのレベル?何年生から?
第1巻は約2万7千語で300ページ近くありますが、1章が1〜3ページと短く、作者の挿絵も多く入っています。文はやさしく、ロボットの目から見た説明的な文章が多いので、英語を4年ほど続け、英検準2級前後の力がある小学校高学年から読み始められます。1日数章ずつ区切って進めると、長編でも挫折しにくい作品です。
Q. 映画『野生の島のロズ』とはちがいますか?
映画は第1巻をもとにしていますが、キツネのフィンクがロズの相棒として大きな役割をもつなど、登場人物の描き方や終盤の展開が変えられています。原作の第1巻は第2巻へつながる終わり方なので、映画を見た子も原作を読むと新しい発見があります。続編の映画は第2巻 The Wild Robot Escapes をもとに作られることが発表されています。
Q. こわい場面や悲しい場面はありますか?
はじめのほうで、ロズの事故がもとでガチョウの巣がこわれ、ブライトビルの家族が命を落とします。冬の寒さで動物たちが弱る場面や、ロズが追われる場面もあります。ただ、どれも生きものの命のつながりとして静かに描かれていて、こわさは控えめです。小学校中学年なら、読み聞かせでも受けとめられます。
Q. 日本語版はありますか?
福音館書店から前沢明枝さんの訳で、『野生のロボット』『帰れ 野生のロボット』『守れ 野生のロボット』の3巻が出ています。挿絵も原書と同じ作者のものなので、日本語版で読んだ章を英語版で読み返すと、絵と場面を手がかりに知らない単語も推測できます。

ほかのシリーズ